法律事務所の事務はもう辞めたい!【パラリーガルからの転職心得】

転職

もう法律事務所の仕事しんどい・・

パラリーガルはもういいかな・・

法律事務所からの転職って実際需要あるの?

法律事務所の事務、いわゆるパラリーガルはある程度の期間勤務すると、精神的にもいっぱいいっぱいになって転職を考える人は実は結構いる。僕自身もこれまで何人も転職の相談に乗った経験がある。

今回は法律事務所での事務キャリアから法律事務所以外の仕事に転職する場合、転職市場ではどんな価値があるのか?、またどのように転職を進めればよいのか?についてキャリアアドバイザーの目線でお伝えしていく。

【この記事が役に立つ人】
●法律事務所の事務の仕事が向かないと思っている人
●パラリーガルはもう辞めて違う仕事に興味がある人
●法律事務所での経験の市場価値を知りたい人

【この記事が伝えていること】
・法律事務所のキャリアの転職市場での位置づけ
・パラリーガルのキャリアで武器にしやすいポイント
・パラリーガルからの転職の進め方

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法律事務所の事務を辞める人の転職理由ベスト5

法律事務所を辞めたいという事務キャリアの人は大体理由が決まっている。これまでに僕が相談に乗ってきた求職者の方で多かったのが以下のケース。

①事務所内の人間関係がストレス

やはり士業事務所は一つの空間で周囲とコミュニケーションをとりながら進めていくことになるので人間関係のストレスが生じるケースが非常に多い。

あまり規模の大きくない事務所ではお局のような年輩者が事務所の空気を掌握しているというケースはよくある事。「窮屈さを感じてのびのび仕事ができない」、「愚痴や悪口のたまり場のようになって気分が悪い」というのは多くの法律事務所で働く転職希望者で聞かれる。

②収入に限界が見える

収入にもある程度限界がある仕事が法律事務所での事務。下記の通り、一人で生活する分には困らないレベルで決して低すぎるということはないものの、家庭をもったりする身では心許ない収入にはなる。

年齢男性女性
20〜24歳276万円250万円
25〜29歳328万円304万円
30〜34歳364万円328万円
35〜39歳426万円386万円
40〜44歳456万円388万円
45〜49歳468万円400万円
50〜54歳472万円412万円
55〜59歳478万円414万円
60〜65歳350万円300万円

※参照:AG法律アカデミー パラリーガルの平均年収

この収入の将来性に不安を持つ人は多くなってくる。ざっくりと都市圏では360~400万円程度、地方では340~370万円くらいが平均的な年収になるかなという感じだ。

③扱う案件がシビアでメンタルがつかれる

数年法律事務所で働いた人が、扱う案件がヘビーすぎて精神的にタフに感じてきてしまうというパターンも実は結構多い。

最初は民事、刑事とも興味本位で仕事が進められるものの徐々に残忍な事件や、ドロドロな案件を扱うようになってくると正常な自身のメンタルがそちらの悪い方に引っ張られてしまうというケースだ。(この前も8年同じ事務所で勤めた方でもここ数年はそのストレスをずっと抱えながら仕事をしていたという胸の内を明かした40代の女性がいた。)

④弁護士の高圧的な態度

事務所の弁護士も人によるものの割合的に高圧的な人が多く、周囲への承認や配慮に欠けたりする弁護士がまだまだ多い。年輩の弁護士などは今の20代や30代に対してのコミュニケーションの取り方をほとんどわかっていない人が多く、変化対応ができない人が多いので困ったもの。

⑤その他(家庭事情など)

法律事務所での事務の仕事は割合的に女性が多いのもあって、やはり家庭事情を機に転職を考えるというネガティブではないパターンももちろんある。配偶者の転勤、子供の学校入学、高齢家族の介護などを機に辞めることを考える場合だ。

仕事自体を辞めるという人もいるけど、法律の知識多少あったり事件や裁判慣れしていると当然、他の事務所でも機転えが利くので転職はしやすい。

法律事務所の事務以外への転職にアピールできるスキルや経験は?

法律事務所を辞めて他の仕事に就こうとするときに知っておきたいのが、法律事務所のキャリアで評価してもらいやすいポイント。

総じて「事務」というポジションなので、挨拶・笑顔など愛想の良さや、周りへの気配り目配りは言うまでもない。下記のようなポイントがどのように求人先の企業に活かせるかをイメージしながら転職活動を進めよう。

①マルチタスク
②PCスキル
③法律知識と調査力(得意な領域がわかるとよい)
④法律畑にいたという「イメージ」

①同時並行で案件を処理するマルチタスク

法律事務所以外の一般企業などでも重宝されるのはマルチタスクの手際の良さ。どんな環境に行っても一つのことだけやってればいいということはなく、常に複数の仕事が同時並行で進む。法律事務所で複数の案件の対応をスピーディーに確実にやってきた経験というのは活きるスキルになる。

また事務所の弁護士の秘書的な動きが多くなってくるのでその秘書力も評価される点。「秘書検定」を取得しても一定のイメージアップになる。

②PCスキル

PCでの事務処理スキル、書類作成スキルは必ずどこに行っても必要になる。①マルチタスクと併せて事務職全般に求められるスキルなのでむしろ絶対に兼ね備えていないといけない部分だ。

少なくともOffice系のソフトをしっかり使いこなすことは必須になる。Wordの機能は使いこなせるか、Excelであれば表計算は一通りできるか、Powerpointで一通りのプレゼン資料が作れるか、などは振返ってみよう。MOSの資格を持っていると一定のスキルの証明はなる。

③法律知識と調査力(得意な領域がわかるとよい)

法律事務所も事務所によって扱う案件が違ってくるけど、あなたがそこで培った専門的な領域はどのような領域か。そこに対しての素地が次の転職先にも活きる場合がある。

例えば、男女問題や離婚案件の多い事務所での経験を積んだ人が一般企業の管理部門に転職しようと思うとなかなかアピールの仕方が難しいが、企業顧問として多くの企業法務の顧問を請け負っていたような事務所であれば、契約書のリーガルチェックやリスクマネジメントに関わってきた経験がそのまま活かしやすい。

またさまざまな調査スキルも一つのアピールになる。ネットでの調査、聞き取り調査、謄本調査、探偵や信用調査会社による調査など様々な情報の確証を得る為のスキルやノウハウも大きな武器にはなる。

④法律畑にいたという「イメージ」

企業の採用支援をしていていつも思うのが、法律事務所での勤務経験者はいつも企業にはカチッとした堅実なイメージを与えやすいということ。

法律を扱う仕事なのでコンプライアンスやルールというものに忠実に業務を行うということが求められるので、機転が利くというよりは確実に仕事をこなしてくれるというイメージは持ってもらいやすい。

法律事務所の事務から転職しやすい仕事は?

法律事務所での事務キャリアから転職しやすいのは一般的には以下の仕事になる。

①違う畑の法律事務所
②一般企業の事務
③企業法務
④探偵・調査会社

①違う畑の法律事務所

まずはゼロベースで考えて、他の法律事務所への転職はどうかを考えてほしい。実は前述したような転職理由も事務所を変えるだけで解消される場合も多い

例えば弁護士でも年輩弁護士から若手弁護士に変るだけでもだいぶ働きやすさや雰囲気は変わったりもするし、扱う案件の領域を変えるだけでも全く新しい仕事になった気分になった人もいる。

また、個人の弁護士事務所からある程度の規模の弁護士法人へと畑を変えるだけでも働き方は大きく変わる。扱う案件の種類が変わる場合も、例えば刑事事件を多く扱うような事務所と企業法務などを扱う事務所などでは仕事の質もだいぶ違ってくる。

一度基本に立ち返って本当に法律事務所の中でのキャリアチェンジもまず考えてみるのもよいだろう。

同じエリアで法律事務所を探すときの注意点

これは理解しているかもわからないけど念のため。同エリアでの弁護士のつながりは思ったよりも強く業界は狭い。事務所間での業界人の情報は結構頻繁に弁護士のつながりの中で出回っている。

他の事務所に移ることがその弁護士同士の関係性に影響してくることもあったりしてすんなりいかない場合もあるので、転職先の事務所などとの関係性は念のためしっかりチェックしておこう。

②一般企業の事務

法律事務所での事務経験はやっぱり一般企業での事務仕事でも活きる。前述したようにコミュニケーション能力、マルチタスク遂行能力、一定のPCスキルがあれば即戦力だ。

しかし基本的に違うのが民間企業はどこまで行っても法律事務所以上に営利の色が強いという事。法律事務所の時には売り上げや利益のことなんて考えたこともなかった人が、一般企業に転職するといくら事務職と言えども売上や利益に貢献できる人は評価される。数字や経営の感覚がどこまで持てるかは一番の一般企業への転職のカギになる。

一般事務を簡単に考えすぎてはダメ!

一般企業の事務は楽そう!なんてイメージを以て法律事務所から転職する姿勢の人もいるけど、はっきり言って甘く考えすぎている。

一般事務という仕事は、ただの事務処理要員であればわざわざあなたでなくても対応ができるという事。30代も半ばに差し掛かると事務職ははっきり言って需要が下がる。つまり、企業からすると多少経験やスキルがなくても若い20代前半の子を採用した方が給与も抑えられて仕事も回る。

あなた自身がどんな価値を見出せるか、会社の業績向上にどのように貢献できるかをしっかり伝えることができなければ企業にとって旨味はない。

そして注意しなければいけないことはあなたの年齢にもよるけど一般企業での事務のキャリアというのはつぶしが利きづらいという事。一般事務のキャリアははっきり言ってその後の転職ではさほど大きなアピールにならない。自分自身がその後どのようにキャリアアップしていくかの目標やビジョンをしっかり構築しない限りは一般事務は僕はあまりお勧めしない

③一般企業の法務部門

一般事務と違い、専門性を持った分野が一般企業の中でも法務と呼ばれる分野。法務部門も実際中途で採用する会社は限られていてあまり多くはない。しかし新しいサービスをどんどんリリースする会社やコンプライアンス遵守に勤める会社は法律の知識を持っていたり法律に使ってきた人であれば積極的に採用したいというのが事実。

企業で法務を経験した人は即戦力としてみられるが、法律事務所からの転身であれば、企業法務ので経験した実績などを主張するとよいだろう。知財・商標の分野や契約関係(書面のリーガルチェックなど)の分野に明るい場合は評価してもらいやすい。

④調査・探偵会社

探偵会社や調査会社は一般企業に比べるとやはり少し色が違う。秘密保持の観点での情報の扱いに対する感覚などは絶対に兼ね備えておいてほしい感覚だ。法律事務所での経験はその素地を認めてもらいやすい。

また一番は調査会社や探偵会社は弁護士や法律事務所との絡みが非常に多い環境だという事もプラスに働く。弁護士や法律事務所からの調査依頼のある案件も多く、その部分のニーズがわかることや法律事務所が求めるかゆい部分を理解して対応できるであろうという強みがある。

特に調査・探偵会社などは調停や訴訟に絡む調査業務も多く、弁護士が求める調査結果や資料はどのようなものか?を踏まえて業務にあたれるようなレベルであれば、これはまさに百人力になる。

法律事務所でのキャリアを活かし効率的に転職するには?

法律事務所の事務から転職を考えた時、まず知っておいてもらいたいのが転職市場に法律事務所経験者がそんなに多いわけではないという事。

世の中の求人のほとんどが一般企業のものであり、中小企業レベルの企業ではルールややり方うんぬんではなく何とかして業務をスピーディーに進めるという意識の会社が多い。一般企業の採用担当者の感覚としては法律事務所はお堅いイメージがあるので、これまでの僕の経験からみてもどうしてもイメージだけの部分で受け入れられづらい傾向がある。したがって履歴書や職務経歴書だけでなくあなた自身のパーソナルな部分をしっかり知ってもらう必要もある

そこで以下の流れで進めることをお勧めする。

①5年後、10年後のキャリアを考える
②売上や利益にどのように貢献できるかを自分なりに考える
③20代後半以降は転職エージェントを2~3社使う

①5年後、10年後のキャリアを考える

前述した通りに、目先だけで仕事を選ぶと先々つぶしが利かなくなる。どのようにキャリアアップするかをできる限りイメージしてから転職活動に入ろう。どんな働き方がいいのか、収入はどれくらいほしいのか、どんな環境で働きたいのか、しっかり考えてみよう

②売上や利益にどのように貢献できるかを自分なりに考える

やはり法律事務所での勤務は一般企業での経験に比べると売上や利益といった数字に意識が向きづらい傾向がある。探偵会社や調査会社も含め「事務所」と名の付く環境に比べて「会社」と名のつくところは全て営利が一番に来る。

自分自身がどれだけの生産性があるのか?(給与以上の利益貢献ができているという主張ができるか?)は意識できてないといけない。特に30代に差し掛かるとそれなりに年収もあったりするので、ただ自己都合だけを主張するようなタイプは敬遠される。会社の生産性や業績向上にどのような貢献ができるかを一度しっかりイメージしよう。

③20代後半以降は転職エージェントを2~3社使う

法律事務所という環境は一般企業に比べるとニッチな県境でもある。一人で転職活動を進めると、どうしても自分のその狭い感覚でしか判断できなくなるのは転職活動が上手くいかない原因になる。年代やキャリアに応じて下記のような代表的なエージェントに登録してあなたの転職パートナーになってくれるアドバイザーのサポートを受けよう。

※20代の場合
マイナビジョブ20's(新卒採用の代表企業なので20代の転職は強い)
パソナキャリア(女性アドバイザーも多く女性の転職には強い)
キャリアスタート(まだ20代でキャリアが浅くて自信がない方向けに万全のサポート)
※30代以降の場合
doda(求人数も非常に多い大手エージェント。とにかく選べる。)
MS-Japan(管理部門特化のエージェント。企業管理部門ならおススメ)
リクルートエージェント(言わずと知れた最大手エージェント。)
以上のようなエージェントから2~3社は登録しておくとよい。複数登録してサポートを受けたほうがいい理由は、担当についたアドバイザーによって差が出て来るからだ。いくらエージェント自体がよくてもアドバイザーの経験が浅かったり、仕事がそもそもあまりできなかったり、あなたの意向をくみ取ってくれなかったり思うように活動が進まないこともある。
 
数社のアドバイザーと転職を進めればその比較もでき、あなたに合った転職活動を進めることができることにもつながる。

まとめ ~法律事務所の事務はもう辞めたい!【パラリーガルからの転職心得】~

法律事務所でのキャリアはあなたが思った以上にニッチだという事。何も考えずにやみくもに転職活動を進めると失敗を重ねることにもつながりかねない。まずは立ち止まって考え、本当に辞めるならしっかり事前準備をしながら法律事務所以外のキャリアへの移行を始めよう。

・別の法律事務所への転職ではあなたの転職理由となる要因は解消されないのか?
・一般企業へ転職するなら自分自身のが貢献できることや採用することによる価値は何か?
・客観的なサポートをもらう為の転職エージェントの活用

このようなことをしっかり検討し、進めるようにしよう。

それじゃ今日はここまで!
See you mate.