
同業での転職はうまくいくんだろうか?

同業に転職するのはバレてもめないだろうか?

競業避止義務は守らなくてもいいの?
同業他社への転職を考え始めたときに出て来る数々の疑問。
そして経験があるからと高を括っていると、ふたを開けると同業他社への転職は失敗に終わるケースも実は多い。
今回は何度も同業転職のサポートをしているキャリアアドバイザーが、同業転職を考えた場合に念頭に入れておくべきことと失敗しないための3つのポイントをリアルにお伝えする。
●同業他社から声がかかりどうしようか迷っている人
●転職を考え始めたが経験を生かして同業他社で探そうと考えている人
●同業転職を考えだして現職にバレないか、伝えた方がいいのか悩んでいる人
→同業他社への転職の法的な扱われ方と失敗を避ける考え方や注意点がわかります。
同業への転職はバレる?同業転職を失敗させない【4つのポイント】
同業への転職は今の会社にバレる?という不安が最も多く受ける相談。
結論から言うとバレようがバレまいが、そんなことを気にするくらいなら転職しない方がいいという事。
転職が成功した場合、同じ業界に身を置くわけだからあなたが活躍して名を馳せるようになれば当然うわさは飛び交う。今後いろんなところであなたの名前を聞くことになるだろうからバレるのは時間の問題だと思っておいた方がいい。
それに、バレることを気にして仕事をすることほど周りに気を遣わせることはない。100%のパフォーマンスも出しづらくなる。
競業避止義務は守る必要はあるのか?
今の会社に入社したときに「競業避止義務」についての誓約書にサインした記憶がある人もいると思う。「退社した場合●年間は同業他社に就業しない」というやつだ。
結論、法的に言うと競業避止義務には従う必要は一切ない。
日本国憲法では職業選択の自由というものが保証されている。どんな仕事を選ぼうがそれは正当に個人に与えられた権限。それを会社という一組織が禁じることはできない。場合によっては損害賠償等の覚書も結んでいると思うが基本的に気にする必要はない。
競業避止で揉めたり訴訟になるケース
同業他社への転職で揉めたり場合によっては訴訟になるケースというのはほとんど以下のようなケースだ。
・会社のメールから別のメールに機密情報を流した履歴が残る
同業他社への転職で失敗する3つの理由
同業他社への転職で上手くいかず失敗する代表的な理由はこの3つ。
②会社環境に適応できない(待遇・人間関係)
③根回しの不足と不義理
理由①:業界を知ってるプライド
やはり今まで同じ業界で経験を積んできたというプライドが邪魔をして、素直に新しい事や新しい環境にゼロベースで臨むことが出来ない。
周りからも「ある程度知っているだろう」という目で見られるのもあって、逆にあなたが知らない事があっても「知らない」と言えなくなる。そうすると本当は聞きたいことも聞けなくなったり、知らないことを知ったかぶりしてしまう場合がある。
そう、プライドが邪魔をして素直になれないのが典型的な失敗パターン。
特にこういうのは歳を取れば取るほど顕著になり、結果が思うように出なくなる。
特に40代以上は同業他社への転職で失敗するケースでははこれが一番多い。
理由②:会社の環境に適応できない(待遇、人間関係)
同業他社ではあっても、以前の会社とは全く別だという事がなかなか飲み込めない人も多い。
僕が相談に乗る求職者で同業他社で転職をして失敗した人も、以前勤めていた会社の環境に慣れてしまって新しい会社でのやり方、人間関係がなかなか飲み込めない。
待遇もそう。会社も違えば給与も違う。
前の会社ではずっと続けてきた信頼があるからそれなりの給与がもらえていたかもわからないけど、同業他社とはいえ別の会社では新人。そこでの信頼はゼロからの積み上げだ。にも関わらず以前の待遇にこだわる人が多い。
そういう人は環境が変わっても成果を出してもう一度以前の水準に戻すという気概で転職をするという基本が頭にない。新しい会社はあなたには経験ではなく実際の結果でしか判断できない!という事を頭に入れられてない。
理由③:根回しの不足と不義理
前述の競業避止への考え方の続きにもなるけど、このパターンも多い。
同業他社での転職になるから、取引先、顧客などは被る場合が多い。その中で顧客や取引先を前職から断りもなく引っ張ってしまうと前職からだけでなくお客さんからも不信感を持たれるときもある。
また、そういう場合に前職の退職前に義理を通して話をするなど、不義理をしないための準備や行動行う必要がある。
同業他社への転職で失敗しないための4つのポイント
同業他社への転職で失敗しないために、まず絶対必要な姿勢や考え方を4つお伝えする。
これは僕自身も一度経験があるし、多くの相談に乗っている求職者のパターンを見ても間違いない。
②顧客もゼロから作ることを前提で考える
③経験にあぐらをかかず成果にこだわる。
④転職エージェントを利用する
①素直にゼロから勉強するつもりでやる!
まず何をおいてもあなたのこれまでの経験を前面に出していくような姿勢だと本当にうまくいかない。新しい会社の人たちにも良く思われないし、今までの経験や知識だけを前面に出していくスタイルだと本当に人が離れていく!
仕事は積極的に取り組んだ方がいいけど、その為の心得として入社3~6か月の間は
●できることは頼まれたらやる
というスタンスを持つくらいでちょうどいい。これ本当に40歳過ぎると出しゃばってしまう人が多いので注意。
そしていい機会だし、もう一度業界の事や商材のことをゼロから勉強してみるのも良いだろう。同業から即戦力として来たけど誰よりも勉強熱心というのは転職先の人にも評価を得やすい。
同業他社の転職先の社長から
「今までの経験をどんどん活かして改革してほしい!」のようなことを言われているようだったら、その会社で改善できる業務のポイントがあればどんどん伝えていっても良いだろう。
でも残念ながらそういうスタンスになると転職先の他の社員たちは今までの居やすい環境からあなたという異端児が新しく加わり環境が変わることで居づらさを覚えてしまうのでその点、嫌われ者になることをある程度覚悟して仕事をした方がいい方がいい。
②顧客もゼロから作るつもりでやる!
営業や販売の仕事なら、顧客は前職であなたについていた顧客もいることだと思うけど、これを引っ張ろうと思うといろいろと上手くいかない場合も多い。
顧客を転職先にもっていくのは義理を通したり、しっかり手順を踏んでいくことが必要になるが、
そもそも顧客はゼロからもう一度作るつもりで転職をしなければダメ。
だから今の会社で一定の売上があってもそれは前の会社の看板があっての顧客になる。前の会社の看板で撮った顧客はどこまで行っても基本的には前の会社の顧客になることをしっかり頭に入れよう。
転職前の会社もその業界での経験を積ませてもらったお世話になった会社。しっかりその義理は通したうえで転職するのも良識のある社会人の務め。仕事は人柄でいただけるもの。あなたの人格にお客さんはひきつけられる。
前述した競業避止についての記述は法的な話だけど、仕事は人とするもの。お世話になった会社もこれからお世話になる会社もしっかり義理は通して気持ちよくスタートさせられる状態を作るかどうかはあなたの社会人としての手腕になる。
③経験を売ろうとしない!あくまで成果!
一番言いたいのはここ。
同業他社への転職に失敗する人で一番多いケースがこれ。
・今までの会社では一定の成果を出してきたからこれだけ給料が欲しい、
・たくさんの経験をしてきたからこれだけの条件をのんでほしい!
こういった希望を転職先に伝えてしまうケース。
これは本当に思うけど、環境が違えば考え方や価値観が違うのは当たり前。
自分の給与や待遇はその経験や知識を活かした成果で決める!という考え方がないと本当にうまくいかない。
まず「給料や待遇を決めるのはあなたの仕事の結果」という事を深く認識する必要がある!
メジャーリーグとNPBの例
例えばメジャーリーグと日本の野球ではメジャーリーグの方がレベルが高いと言われている。
でもメジャーリーグで活躍した外国人助っ人が日本の野球に来てメジャーと同じように活躍できないケースと一緒。日本の野球をなめきって、成果を出せない。アメリカとは野球の仕方が違うからね。
メジャーで活躍した人で日本で同じように活躍する外国人の共通点
・とにかく勉強熱心
・選手やスタッフと自分から馴染もうとする
・日本語をしっかり覚えようとする
これは同業他社への転職に失敗しないポイントとしても一緒のことが言える。
あなたが以前の会社でどれだけ成果を出したかは関係がない!あくまで次の会社の環境でどれだけ成果を出すかで自分の稼ぎを作ることを考えないとダメ。
④転職エージェントを使う
転職活動は同業転職だと主には
・自身の人脈の中から売り込む、あるいは声がかかるケース
・転職エージェントを使うケース
この2つが効率的だ。
人脈の中から声がかかったりするケースではあなたの仕事ぶりや人格が優秀であれば、今の条件をキープしたまま、あるいはそれ以上を出すから来てほしいというケースが多いだろう。
求人広告等で応募をするのもいいが、採用条件等は自身で交渉したりする必要があり、全般的に転職エージェントのアドバイザーにお世話になった方があなたの代理人としてあなたの同業での経験をうまくプレゼンしてくれるので評価が上がりやすい。
転職エージェントについてはエージェントの選び方とアドバイザーの選び方の軸があるので別記事を参考にして是非登録してみてほしい。



まとめ ~同業への転職はバレる?失敗を回避する同業転職術【4つのポイント】~
同業他社への転職に失敗するパターン、逆に同業他社へ転職してうまくいくパターンは大体決まっている。
知識やスキルはあって人間として仕事に真摯に向き合い謙虚に取り組む姿勢がなければやはり上手くいかない。あなたにどれだけ知識や経験があっても、それは決してなくなるわけではないから頭の片隅に一旦置いておき、
真っ新な状態で新しい環境で身を置いていくと上手くいくケースが多い。
是非それを頭に入れて同業他社への転職を検討してほしい。
今日はここまで!
See you mate.