
新卒3年目でそろそろ転職したくなってきた・・

3年目で転職するのってどうなんだろう?

3年目での転職は難しい?
新卒入社の会社を3年目で辞めたいと思う24~25歳の転職希望者。意外と僕も振り返ると相談に乗ってる数は結構多い。
今回はそんな入社3年目くらいの時期の24~26歳くらいの人に向けて、自称辛口キャリアアドバイザーが直近の1年間で手掛けた転職支援実績からみた転職への考え方のポイントをお伝えする。
●新卒入社3年目くらいで転職がチラついてきた20代半ばの人
●勤続3年目くらいで転職するのがいいのかどうかわからない人
●3年目くらいでの転職にいまいち自信が持てない人
→入社3年目、20代半ばの「転職市場での需要」と「転職の注意点」がわかります。
→今やめるべきではない場合はどんなケースか?がわかります。
【3年目の転職は難しい?】評価されやすい点と適切な転職の進め方
入社してちょうど3年目経つか経たないかくらいの時期。今は新卒採用がなかなか各企業思うように進まないところも多いから、ちょうど新卒3年目くらいの20代半ばの層にアプローチする企業が増えている。
そういう流れもあって転職に傾く人が多くなってきているけど、コロナ禍に入ってからは実は簡単に転職できるというわけではない。
●自身の強み
●今後のキャリアの展望
この辺りをしっかり認識してからでないと後で後悔することになる。
新卒から3年目までの離職の状況
新卒で入社してから3年までの離職率は28年度で見ても引き続き大卒では32%台。短大卒でも42%下記を見ても3人に1人くらいは入社して3年で辞めている状況だからさほど珍しいことではない。
30年ほど前の終身雇用全盛時代に比べると近年は転職も人生においては必要なピースになっている。
※参照:厚生労働省_新規学卒者の離職状況より「学歴別卒業後3年以内離職率の推移」
キャリア3年目での転職市場での実際の需要
あなたが新卒3年目、あるいは1社目でなくても20代半ばで現在3年くらい今の会社に勤務しているという場合、市場からの需要は非常に高い。全般的に転職のし易さという点においては、その他の年代よりは非常に容易な部類だろう。
僕自身も企業から預かる求人の内容を見ると「20代」や「転職は2回目(3回目)まで」という限定の仕方をしている企業も多い。コロナで業績の見通しも付けづらい中でやってみないとわからないゼロベースの新卒ではなく社会経験は積んでいてポテンシャルもまだ見いだせる新しい若い血をどんどん入れていきたいというスタンスが多い傾向だ。
社会人3年目前後、20代半ばをターゲットにする求人でコロナ以降の直近1年で多い求人を職種・業種をピックアップしてみたのが以下だ。あくまで僕個人の対応している中での所感なので、一概には言えない部分もあるけど参考まで。
※以下が全てではなく、またターゲット年代が変わればまた違うのでご容赦を。)
①営業(法人/個人)
②販売スタッフ
③介護(現場スタッフ)※未経験OK
④製造エンジニア(機械設計/電気設計)
⑤設計・施工管理(建築/土木)※建築施工管理は未経験OK、土木は経験者か対象学部卒
⑥ITエンジニア(SE/PG:開発経験者)※未経験者は需要低下
⑦経理(実務レベル)
①IT/通信 ※新しいWEBサービスリリースしている企業多い
②介護
③建設・土木 ※建築施工管理は
④流通/小売 ※コロナ禍で業績↑
⑤製造
⑥物流
ITや通信系の企業であればコロナ禍でも業績は好調なところも多く営業などは積極採用しているし、販売もスーパー、ホームセンター、ドラッグストアなど日用品なども人材不足という感じ。
年収について
転職市場価値としての年収はやはり3年目だとさほど高望みはしにくい。
3年目では現在の年収は330~450万円程度の人が分布としては多くなってくるけど、営業職等でインセンティブ等の報酬を除けばどの業種、職種も大体360~450万円程度での初年度の提示は多くなるだろう。事務系の転職で考えると300~360万くらいで落ち着くケースが多い。
いずれにしてもいきなり500万近くの年収を望むことはしにくいのでその点は頭に入れておこう。
当然これは僕の経験上のあくまで平均的な話であって、当然会社やあなたの経験によっても個別に変わるので参考までにしておいてほしい。
3年のキャリアで転職において評価されやすいポイント
今の職場で3年やってきたことで転職企業からは以下のような評価を得られやすい。
・昨年実績を超えたこと
・ビジネスマナー
・ポテンシャル
PDCAプロセスの体得を評価されやすい
まず3年間、一つの仕事を経験するとやはりPDCAプロセスが身につきやすい。
成果を出すために計画(Plan)し、実行(Do)し、その結果を検証(Check)し、改善(Action)という一連の繰り返しを評価されやすい。
3年仕事をするとなると手取り足取りずっと教えてもらいながらではなく自分自身で能動的に動かないと成果の出せない仕事が多く、ある程度の裁量を持たされて自分で行動計画を立てるケースが多い。
成果を出すために最も効率的で着実な行動ができると判断される場合も多い。だから会社が変わっても、売るものや扱うサービスが変わっても同じ動きができれば商材知識さえつけば通用すると思われやすいという事だ。
昨年の実績を超えてみるという経験が評価される
これは営業ならわかりやすい。毎年予算が与えられているなら3年続ける事によって一つの会社、一つの業界で前年の自分の売上を2度超える経験をする事になる。
これは営業として非常に大きな経験であり実績だ。
2回自分を超えるという事はセールスとして一過性でなく、本質的なスキルをつけた事になる。
営業以外のポジションでも、自身が担当する分野で前年自分が残した実績よりさらに成果を出すために以下のようなことに取り組んだというプロセスが評価されやすい。
●コストダウンに取り組む
●時間短縮に取り組む
●業務効率化につなげる
●社内が活性化する効果的な制度を考案して導入する
なんでも実施することができる。
あなたが実際に取り組んだ成果をさらに超える成果を出したことは評価に値する
ビジネスマナー
3年近く社会経験を積んでいるなら最低限のビジネスマナーはつけていると評価される。「社会人とは?」の研修から入る必要のないあなたはその分手がかからず早期に生産性を高めてくれるピースになると考えられやすい。
ポテンシャル
なんといってもこれ。20代半ばならまだまだ染みついた考え方もなく、新しい価値観や考え方を身につけることもできる。
まだまだ勉強すればどんどん成果を出せる素地もあり、会社を長く背負う人財にもなる可能性は大いに秘めている。企業はここに最も期待している。
3年目で転職すべきではない人
転職市場での需要は高いとはいえ、3年目でも仕事を辞めない方がいいケースもある。
以下の2つのケースに当てはまる場合は、一般的な持論にはなるが今の環境でスキルアップを実現した方がよい。
B:仕事の不満が会社の配慮やあなたの努力で解消する場合
今後の確固たるキャリアビジョンがあなたの中にない
まずは3年目で仕事を辞めたとしても、その後にあなたが実現させたいことややりたいことが明確にない場合、良い方向に行くことは少ない。
3年目での転職はまだ第二新卒という捉え方もあるし、第二新卒なら多くの企業がニーズとして持っている。
転職して他の会社に変わることは難しくはないけど、あなた自身がそのあと辛くなる。キャリアアップや夢の実現に向けた前向きな転職ならOKだけどそれが明確に伝えられないようなら先に仕事を辞めるのは待った方がいい。
仕事への不満が社内の配慮により解消する
今の仕事や会社への不満というのが転職理由だとしたら、社内の配置転換や、ジョブローテ、担当変更などで解消する場合がある。
続けられるなら続けた方がいいわけだから、辞めることをすぐに選択するのではなく、まずは社内であなたの不満を解決させられるよう努めた方がいい。ここからあと3年続けてもまだまだ転職はできる。今の環境で続けられる余地があるならそれを実現させた方が良い。
3年目での転職をスムーズに進める際の注意点
まず3年目で転職を決め切ったときのその後のステップは以下だ。
②転職活動の軸を決める
③求人広告を見て転職エージェントに登録
(④行きたい会社が明確な場合は直接アプローチもOK)
⑤内定条件の詳細を確認する
⑥スムーズな退職交渉
①改めて自己分析!30歳、35歳のビジョンを描く
まず今の会社に対する不満が転職理由の場合は、あなたの中に前向きな確固たるキャリアビジョンがなければうまくいかない。なんか面白くないし退屈だし何となく今転職しようかな・・と思っていてもあなた自身の心が満たされることはない。
それはなぜか?
あなた自身が「5年後、10年後どうなっていたいか」をイメージした上で、次の行動をとらないと、またナーナーに過ごすことになってしまうからだ。今は終身雇用が崩壊し、一つの会社でキャリアを終えるというケースがほとんどなくなってきている。
それだけに今までの経験も大事だけど、30歳になったときの自分、35歳になったときの自分をイメージし、どのような働き方や生活をしていたいのか?の答えをしっかり持ってほしい。40歳以上になると先のこと過ぎてイメージしづらいし、この先変わることも多い。5年後や10年後ならしっかり目標に向かって腰を据えて歩める期間でもある。
このイメージづくりを怠ると転職ループにはまる。要は自己分析に再び取り組む事だね。
②転職活動の軸を決める
自己分析ができればある程度の転職活動の軸を決める必要がある。隣の芝は青く見えるとはよく言ったもので、自分が身を置いてない環境は非常に魅力的に映ってしまうもの。あなた自身に明確な軸がないと一貫性のない転職活動繰り広げることになる。
要は今回の転職において何をかなえたいのか?を明確にしておくとよい。
・会社規模
・一緒に働く人
・事業の特徴
・会社(経営者)の特徴・考え方
・収入
必ず「なぜそれを求めるのか?」「なぜそう思うのか?」を徹底的に自問自答しよう。
③求人広告よりも転職エージェントを活用した方が希望が叶いやすい
転職の軸が決まれば次は実際に求人を探す作業。求人サイトを見て直接ピックアップして探すのもいいけど、ここは転職エージェントの活用をお勧めする。
転職エージェントを活用しての転職は何といってもあなたの希望がかないやすいからだ。
求人広告では自分ですべての情報を判断しないといけない。応募を集めるための広告だから過大表現もあったり勘違いもある。転職エージェントはあなたに寄り添ったアドバイザーが企業との間に入って様々な情報を教えてくれたり選考のサポートをしてくれる大きな味方になる。
転職エージェントについては選び方にポイントはあるものの、以下の転職エージェントのうち2~3つは登録しておいた方がいい。すぐに登録しておこう。



(④行きたい会社が明確な場合は直接アプローチもOK)
自分のやりたいことやかなえたい転職のビジョンが明確になっている場合は、転職サイトや転職エージェントを使わず自分でその会社を見つけて直接エントリーすることも有効だ。ほかにやっている人がいないからインパクトがある。
その会社が現在募集しているかどうかという面もあるが、思いがあれば選考してもらえるケースも多くやってみる価値は大いにある。現在はほとんどの会社のHPの採用情報には必ずエントリーページがあるし、SNSで採用マーケティングを行っている会社も多い。
しかし会社に直接エントリーするときは、その会社でないとダメな絶対的な志望動機や思いがないと厳しい。またその会社が欲しい人財はどういう人財か?を汲み取ってその点をアピールする必要がある。
⑤内定条件の詳細を確認する
選考において内定が出たらその雇用条件をしっかりチェックすること。
会社によっては名前は変わるけど、「内定条件通知書」「雇用条件通知書」「労働条件通知書」というような書面を手にすることになる。
内定の嬉しさにしっかり内容を確認せずに承諾のサインをしてしまう人も多い。チェックするところは以下のポイント。
●手当・・・〇〇手当はどんな時にいくら支給されるのかを明確に。
●賞与・・・支給月と前年実績はしっかり確認。決算賞与はあるか?
●インセンティブ・・・どれくらいの成果を出せばどのくらいの額が支給されるのかのイメージ
※ただインセンティブと書いてあるだけでは後でうやむやになるケースも。
●残業・・・みなし残業は何時間までか?超えた分はすべて支給されるのか?
●年収推移・・・初年度の想定年収~2年目・3年目の年収推移
●休日・・・会社の公休日や有休の取得の状況など
●通勤交通費、営業交通費・・・上限などその条件をしっかり確認しておこう
⑥スムーズな退職交渉
内定を承諾すれば現職での退職交渉。退職交渉は初めてになる人も多いけどできれば30日で終えるのがベスト。どれだけ長くなっても45日を目標にしよう。
30~40代の役職者などではすぐに後任が探せない場合もあるので60日くらいに延びたりもするが、20代であれば会社も何とかすることはできるケースがほとんどだ。
「飛ぶ鳥跡を濁さず」という言葉もあるようにお客さんへの退職挨拶、社内への周知を丁寧に行う。社内のお世話になった人には誰かから聞かせるよりもあなた自身が直接お話しし感謝と決意を伝えるようにしよう。
まあぶっちゃけここは役職者でない限り、さほどネックになるケースは少ない。
新卒3年目の転職支援の事例
これまで3年勤務した後に転職し、その後成功した事例を2人だけ挙げてみた。
あくまで一例なのであなたにカチッと当てはまるわけではないと思うけど、考え方の参考にしてほしい。
●男性26歳 4大卒 未婚 製薬会社営業→広告・プロモーション会社プランナー(営業)
製薬会社の拘束時間が長く、自分の心身リフレッシュの趣味のテニスや彼女との時間などが取れずこのままでは精神が満たされない。薬品の販売も価格だけで決まる仕事のためやりがいが全くない。
まずは自己分析。どんな仕事が自分にやりがいが感じられるものは何かを徹底的にワークに取り組み絞り込んだ結果、顧客と一緒に作り上げるようなスタンスの商材やサービスを扱った営業に絞った結果、WEBサービスや広告系の営業に絞り活動スタート。
決まった病院などが顧客のルート営業だったので、WEB・広告に行くなら新規開拓を獲得していきたい意欲やそのポテンシャルを示す必要がある。書類や面接もその意欲をPR。
5社ほど受けた結果2社から内定が出てそのうちの1社を承諾。現在はハードながらも前職よりは拘束時間も短くなり、やりがいも感じながら満たされた状態で勤務中
年収も前職360万→380万円とアップ。
●女性26歳 4大卒 未婚 地銀窓口1年→税理士事務所税務2年→製造業経理
地銀の窓口を1年で退社し税理士事務所で企業税務を担当したもののここも激務薄給で将来的に不安が大きい点。
自己分析では金融、税務経験を生かして企業の経理や財務に関わるという点に一点集中。一般企業の経理や財務で発生する業務と自身の行ってきた業務を照らし合わせ、アピールできる点を洗い出し。
経理の場合は実務経験者を求める求人が多かったが、隣接業務である金融や税理士事務所の業務をどれだけ一般企業での実務にイメージさせられるかがネックだったが税理士事務所勤務の際の顧客税務で注意したポイントなど、ここまでは見れる!という点を明確にした。また2回目の転職という点も、1回目の転職理由を前向きで明確なもので今回と一貫性を持たせることで悪印象を回避。
製造メーカーの経理職としての内定を承諾。年収も前職350万→350万円と初年度は据え置きになったものの専門分野の勉強ができる時間もとれるようになり、事業会社の経理スタッフとしてのキャリアをスムーズにスタートした。
まとめ ~【3年目の転職は難しい?】評価されやすい点と適切な転職の進め方~
3年で転職することは十分よい転職ができる可能性はある。
しかしあなた自身に前向きなビジョンや考え方がなければ、ただの不満を解消するためだけの転職ではよい転職の実現はできない。
転職に踏み切るなら必ずあなた自身のビジョンを明確にしておくこと。
「こういった分野でこうスキルアップしたい」
「こういうふうになりたい」
をしっかり伝えられるような状態にしておくことがまず先決。
今日はここまで!
See you mate.