40代の転職、なんとかなるのか?典型失敗事例と適切な進め方

転職
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40超えての転職、何とかなるかな・・・

まあ40代でも自分の経験があれば合致するところはあるのでは?

40代とは言え本気でやれば3か月もあればなんとか決まるでしょ

40代で転職でなんとかなると考えているけど実際はどうだろう?これまで多くの40代転職希望者のいろんなケースでの相談に乗ってきたけど、今回はそんな事例ももとにキャリアアドバイザーとしての僕の見解をお伝えしたい。

【この記事が役に立つ人】
・40代で転職を考えている人
・早く会社を辞めてしまおうと考えている40代の人
・この先仕事に就けるか不安な40代の人

【この記事が伝えていること】
→40代の転職を軽く考えることのリスク
→40代の市場価値と転職の適切な進め方
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40代の転職「なんとかなる」は幻想

40代の転職、今の仕事を辞めても何とかなるでしょ!と思っているけど実際どうなんだろう?これについては明確に経験値からくる答えがある。

40代の転職は軽く考えていると、なんともならないという事。

転職はなんとかなると考える40代の人の多くはなかなか次を決めることができず長い間苦しむことが多い。そんな人の特徴や、事例、取るべき行動についてお伝えしていきたいと思う。

転職はなんとかなると考えて上手くいかない40代の人の特徴

転職を甘く見る40代の人はいつも話すと大体共通の思考パターンがある。大きく見て4つ。以下に当てはまると転職はなかなかうまくいかない。

・自分の生産性が理解できていない
・自己主張が優先されている
・視点が低い
・会社の実績と自分の実績の切り分けができていない

生産性が理解できていない

40代になるとそれなりに会社の中では給料も多く受け取る層になる。にもかかわらず自分が生み出す仕事の価値が自分の給料に見合っているという説明ができない。

営業なら売上や利益の数値などで出すことはしやすいが、そのほかの職種は自分のスキルや経験でどれくらいの生産性を生み出しているかの妥当な説明をできる必要がある。

・経費の圧縮
・部下の育成
・業務の効率化
・バランスシートの改善

このような点で金額換算などしてどれくらいの貢献ができているかが自覚できていない。

自己主張が優先されている

自分の都合や希望を我先にと主張する人は完全に評価がされにくい。特に転職が決まらない時期が続いて焦ってくるとどんどんこの傾向は強くなりやすいから、負のループに陥りやすい。

40代なら自分の希望を主張する前にどのような貢献ができるかを教えてくれなければ評価の土台に乗ることはない。

視点が低い

転職が上手くいかない40代は総じてみる視点が低い人が多い。つまり、言ってることが20代の若者と同じようなこと言ってたりするってこと。

社会全体、業界、会社、チーム、これら全体を俯瞰してみることができていない。40代であればこの全体性が持てていないとなかなか話が嚙み合わない。

会社の実績と自分の実績の切り分けができない

特に営業や販売職の人には多く見られる点になるけど、自分の販売実績を全て自分の実績だと勘違いしている人はなかなか多い。商品力やブランド力の成果と自分のアクションによる成果というところがごちゃごちゃになっていてすべての販売実績を自分の成果にしている人はこれに該当する。

営業や販売以外でも同じ。会社のシステムや仕組みの恩恵と自分自身のアクションを切り分けて自分の力を正確に伝えることができないひとは多い。

40代の転職でなんともならなかった事例

前述した何とかなると考えて転職活動を始めたものの、なかなか上手くいかない40代の方でずっと苦しんできたタイプの事例をいくつか挙げてみた。

①45歳 大卒 男性 メーカー営業一筋23年 最終年収600万

新卒で中堅の自動車部品メーカーに勤めた45歳、23年間営業一筋で勤め上げてきた男性だが、こういったタイプは転職で深みにはまるケースが多い。なぜかというと会社の中ではそれなりにキャリアも長く、営業成績も悪くなく昇進もして何名かの部下を持っていても、その会社しか知らずやや世間を知らずな部分があるからだ。

会社の中ではそれなりに認められてきたため自分を過信しやすいが、畑が変わればまた種を植えるところから始めないといけないのと同じ。退職金を手にして先に退職したものの今までいた環境を切り離してどのくらいの変化対応力があるかを示すことができず長期化したケース。

この人は退職後1年活動して、様々な業種の営業職を受けたけど結局前職より小規模の自動車部品のメーカーで内定をもらうことができた。この人の活動ポイントは以下。

【難航ポイント】
・とにかく業界以外の知見が乏しく、経営視点に欠けた
・営業は20~30代募集が多く40代の採用が組織編制にマッチしない
・既存顧客メインで新規営業がアピールしづらい

【活動のポイント】
・営業として培ってきた業界人脈の活用のアピール(顧客の棚卸)
・希望年収条件の見直し(600万→500万)
・損益計算書や貸借対照表の理解
なかなかこの手のタイプは転職市場ではキャリアではアピールしづらいことも多いが、なかなか決まらない時期が続いたのでまず経営視点を持つために会社の財務の勉強もしてもらった。そこで自分自身が部品メーカーの中でどんな影響を出せるかを考えてもらい、知識と経験に見合った年収の根拠を出せるように動いた。

②42歳 高卒 男性 4社で法人営業・個人営業経験 最終年収500万

高卒後2社程度アルバイトを経て、個人向け通信商材2社、カーディーラー営業、食材の卸営業の経験があったが、いろいろ経験してきただけあってその専門性が乏しく、自分自身でもなにかいい仕事がないか?という感じで前職を辞めたものの方向性すら定まっていないケース。

40代でこういう辞め方や転職に対しての向き合い方はもうほんとに絶対ダメ。

【難航ポイント】
・話の内容が浅く、事業や経営についての深い話はほぼできない
・世間知らずで経済動向や政治の状況をあまり知らない
・結構軽い気持ちのタイプで完全に世の中甘く見すぎ

【活動のポイント】
・徹底的な自己分析から自分の強みの洗い出し
・自分の強みを活かせることを考え転職の軸を決定
・身なりを整えて年齢相応の印象アップ
結局はこの人は40代にも拘わらず結構若者をそのまま歳を取らせただけってタイプの方で年齢相応の知見がなく、見た目もあまり意識していない感じだったので、年齢相応のイメージを与えられるように身なりのアドバイスから新聞やニュースでの時事トピックの理解など結構根本的なところからやってもらった。
パワーはまだまだある人だったので、年齢の割にまだまだ化ける要素はあった。結局あれがいいこれがいいと希望はあったものの、独身という事もあり営業スキルをより高めてしっかり稼ごうという思いもあり、1年半ほど相談に乗らせてもらった中で某不動産会社に転職が決まった。その間はずっと知人の飲食店でアルバイトでつないだ。

③48歳 大卒 男性 2社(サービス・飲食)で経理 最終年収480万

中堅のサービス業と飲食業で経理として勤めた48歳、25年以上経理財務を中心としてキャリアを積んできたが、この人も1年以上決まらずアルバイトでつなぎ大変な思いを経験した。

前職ではかなりワンマン社長のプレッシャーから精神的に参りかけていて先に会社を辞めてしまったものの、先を見据えず辞めてしまい40代の転職の深みにはまってしまった。この方も家庭がありながら知人のアルバイトでつないでいた。家庭内でも奥さんとのけんかが絶えないという状況も続いた。

月次や年次の経理処理、決算書は一通り経験があるものの、なかなかマッチする環境がなく長期化してしまった。年齢に大してマネジメント経験が浅くアピールもしづらかったので自分に提供できる価値は何かをしっかり考えた。

【難航ポイント】
・経理実務はほぼ対応できるもののマネジメント経験が浅い
・非生産部門である限られた人数での経理部署に年齢バランス的に全くマッチするところがなかった。
・言われたことはこなせるが、自発的な取り組みの成果が乏しかった

【活動のポイント】
・知人の徹底的な声掛けとハローワークでの定期的な検索
・書類での強みを打ち出し(事業計画の作成や対銀行向け)
・助成金や補助金の勉強
このタイプもなかなか決まらないタイプだという事を自覚しないまま先に辞めてしまい大変な状況を経験したが、40代後半の経理という事だと、組織に年齢がマッチしないケースが多いのでほとんど書類で見送りになる場合が多い。普通に活動してたらずっと決まらない。
経理の実務はできる為、それ以外に自分にどんな付加価値があるか?を考えてもらい、会社のお金周りをよくするための助成金や補助金に対して詳しくなってもらい(特にコロナ以降は様々な補助金・助成金があるため)その点でも感度が高く会社に貢献できるという事をしっかりアピールしてもらうようにして、1年3か月くらいの空白期間を経て、某サービス業の総務経理部門として採用が決まった。

40代のリアルな転職市場価値は?

以上の事例でもお伝えしたように40代の転職市場価値というのは限られた人しか高くは持ってもらえない。総じて以下のようにとらえられている場合がほとんど。

組織の年齢構成にはまりづらい

どこまで行ってもこの理由は一番多い。組織のバランスとして20~30代を採用したがる会社は中小企業でも非常に多い為、40代に入社されても社内のバランスや雰囲気が保てないという考えの企業がほとんど。

経営視点がなければきつい

40代になるとやはり鳥の目を持てないと厳しい。どれだけ会社組織や世の中を俯瞰してみて物事を考えることができるかということだ。できるだけ、世の中の動きや自分や会社のポジションを理解し様々な戦略を考えられる人でないと価値は感じてもらえない。

希少価値の高い経験を持っているか

あなたにしかできない経験や知識は何か?これが考えられない人に40代の転職で明るい未来はやってこない。

営業なら営業はできて当たり前、製造ならモノづくりの流れはわかって当たり前、管理部門なら事務処理はできて当たり前。

それ以上にあなたがプラスαできる部分は一体何か?を徹底的に考えよう。なければ作るしかない。

40代の転職を成功させる為の4つのポイント

では40代で転職を成功させるために具体的にどんな行動をとればよいの?って話だけど、大きくは以下。

①絶対に先に退職せず長い目で転職活動を行う
②転職エージェントは必ず活用する
③自身の強みの棚卸をし書類を徹底的に仕上げる

①絶対に先に退職せず長い目で転職活動を行う

述べてきたように退職を先に軽い気持ちでしてしまうのは絶対にダメ。40代の転職活動は確実に長期化すると思って、そのリスクを補えるだけの十分なたくわえがあればいいけど、なければ路頭に迷う事にもなりかねないので、絶対に先に辞めることは避けよう。

②転職エージェントは必ず活用する

40代になると自分で求人に応募していくのは相当なパワーが必要だ。書類を送っても送っても音沙汰がなかったり、お断りが来る。そんな非効率なやり方をするよりも確実に転職エージェントにお世話になって求人のあっせんを受けたほうが効率的。

転職エージェントは様々あるが、40代であれば案件数の多いリクルートエージェントdodaあたりは確実に登録しておいた方がよい。年収600万円以上の重要ポストであればBIZREACH(ビズリーチ)は活用すべきだろう。

ただ何を使うにしてもアドバイザーによってあなたへのアドバイスの質は大きく変わるのでそこは見極めるようにしよう。

40代におススメの転職エージェントは以下になる。

リクルートエージェント

求人情報の保有数は抜群。他のエージェントを圧倒している。

さすが様々な事業展開をしているリクルート系のエージェントだけあり、
自社でタウンワークやリクナビ、はたらいくといった求人メディアも複数運営しているため顧客企業も幅広く、非公開の求人も含めると28万件以上(2019年10月現在)に上る。

アドバイザーの当たり外れがあるのが懸念ではある。
一人のアドバイザーが多くの求職者対応をするケースも多いのでしっかりあなたの意向に合った求人を親身になって紹介してくれるアドバイザーに対応してもらえれば強力な転職パートナーになる。

ビズリーチ【BIZREACH】
BIZREACH

CMでもおなじみのビズリーチ。ややハイクラスで年収が高めの30代、40代の人(年収500~600万円以上)は一番合致した案件が見つかりやすい。
特に管理職、専門職、国家資格者、大手、外資などのキャリアの人やそれらを狙う場合には一番おススメ。

逆に転職歴が多い、年収帯が低い(300~400万円代など)、正社員歴が浅い、資格もなく強みが出しづらいなどの場合はビズリーチは合わない可能性が高い。

基本的に転職エージェントは企業から採用成功報酬を受け取る為、他の転職エージェントは求職者へのサービスは無料だが、ビズリーチは有料会員と無料会員があり、転職希望者も有料会員になることにより他よりも厚い支援を受けることもできることもメリットの一つ。現職で時間調整が難しい人などは思い切って有料会員で厚遇サービスを受けるのも一つの選択肢。

doda

もともとミドル求人を多く保有するのがdoda。
13万件以上の求人を保有し(2019年10月現在)豊富な求人の中から案内をしてくれる。

以前はエンジニアなどの専門職が多い傾向だったが現在は営業、販売・サービス、管理部門から幅広い求人を保有するようになっている。

実は以前僕自身が転職した時に利用した。その際もそうだったが「非公開求人」が実に多い。
水面下のプロジェクトなどで公には出せない求人などの非公開求人を多く抱えていてdodaだけしか見れない求人に出会えるので登録しておいた方が良い。

パソナキャリア

利用者の口コミで最も多いのが、アドバイザーの親身な対応ぶり。
パソナグループ全体で社会貢献の姿勢を突き詰めているというのもあり、転職希望者、企業の双方に細かいフォローがあり満足度が高い。

最後の転職にしたいと考える40代のあなたにもきっと満足のいくまで相談に乗ってくれる。
求人企業のメリット・デメリットからあなたの生活環境、性格、価値観など総合的に踏まえ丁寧なアドバイスを提供してくれるホスピタリティの非常に充実したエージェント。
転職エージェントを利用したことがない、また初めての転職という方も安心できるのがパソナキャリア。

③自身の強みの棚卸をし書類を徹底的に仕上げる

そして自分自身の棚卸は必ず今までの人生の中でも最も時間をかけて取り組むべき。自分にしかない強みやアピールポイントを必ず作ろう。

転職エージェントの優秀なアドバイザーならその点のレクチャーもしてくれる。どんな会社にマッチする可能性があるのかを実際に企業側にも調整して打診してくれる。それには本当にあなたが貢献できるところを明確にして書類レベルにまで落とし込む必要がある。

まとめ ~40代の転職はなんとかなるのか?【失敗事例と適切な進め方】~

40代では軽い気持ちで先に会社を辞めて、次何て何とかなるだろう、それなりに見つかるだろうなどと考えていては本当に痛い目を見るし、家族にも大きな迷惑をかけることになりやすい。

必ずこれを読んだら早まるのは止めて落ち着いて自分の棚卸をしつつ、転職エージェントなどに相談して転職の方向性や軸をしっかり定めよう。長期戦になることはある程度覚悟しながら、いちいち目先の結果で一喜一憂しない!

というのが40代転職の最も大事なマインドだ。
 
今日はここまで!
See you mate.