未経験から人事や総務に転職できるか?【30代の転職戦略とは】

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最近面談する求職者の中で30〜35歳の人で人事、総務職に就きたいという人が結構いる。
しかも事業会社での人事・総務経験はない。

何となく人事や採用に興味があるけど行けるのかな・・・

営業とか疲れてきたし総務とか内勤に変わりたいな・・・

実はこれ、企業にはあまり好まれないタイプ。

全般的に大企業なら、人事であれば人事の実務経験、総務であれば総務の実務経験を求めるし、
中小企業やベンチャー企業なら、人事や総務と言ってもユーティリティ的な役割で「人事総務」として会社の管理業務を横断的に全般タッチする必要がある場合が多い。

それらを踏まえて総務や人事業務未経験の30代が管理部門に転職する為の戦略をお伝えする。
僕は現役のキャリアアドバイザーなので結構リアルな企業目線の意見もお伝えするので参考あれ。

【この記事が役に立つ人】

●実務経験はほとんどないものの人事や総務に転職をしたいと思っている人
●人事や総務に就きたいけど自信がなく不安な人

→未経験から人事や総務を目指す時の市場の反応と適切な戦略が分かります。

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未経験で人事や総務に転職したい30代の転職戦略

まず最初にお伝えしておくこと。
面談で人事や総務に転職希望の人と話をすると、未経験の人はだいたい仕事の本質を理解していない。
採用する企業側もそれを知っているから未経験での人事総務希望者を好まない傾向がある。

例えばこれまで製造スタッフ、販売経験、営業経験などの経験がある人で
違う会社に転職して人事や総務をやりたいと言うのはそれなりに理由があるのかもわからない。

ほとんどの人がイメージだけで仕事を決め付けている傾向がある。
一番ひどい人だと、人事総務系はきっちり時間に終われて働きやすいからという理由で希望する人もいる。
実際あなたはどうだろうか?

30代で人事や総務未経験で転職する為に知っておくこと

人事総務系の仕事はまずマルチタスクを「確実に」、「デリケートに」こなす能力が必要になる。
社内の「人」に関わる部分だからその資源である「人」が勤務しやすいように様々な業務をスムーズに行っていく必要がある。

中小企業なら管理業務全般という認識を持った方がいいと思うけど、労務や経理の業務も兼ねる場合もあることを踏まえると以下のことを扱っていくことになる。

求人計画、説明会・面接対応、候補者フォロー、人事制度・人事評価の設定、社内外研修企画、社員のステータス把握、WEBページ管理、給与計算、労務管理、社会保険、福利厚生、防災関連、受付、社内文書の管理、固定資産・備品などの管理、社員の健康管理、社内イベントの企画、地域活動、上場会社なら株主総会運営なども含めたIR業務・・・

これを見てわかるように、考えることは無茶苦茶多い。
これに経理業務なんかもタッチしようものならパンクしてしまう。

やはり全く無知の状態からこれらの業務を遂行するのには無理がある。

例えば採用業務の経験者なら求人広告については熟知している必要がある。
候補者の面接対応や人物評価についてもそれなりに場数が必要になる。

しかし実務未経験の人で人事総務に転職したいという人は7~8割の人は比較的「楽」だとか「責任」が重くない、誰にでもできそうと感じている人が多い。
とんでもない話だ。

人事総務は会社の中心。
企業は「人」でしか成り立たない。

中小企業などは人のことにも多く関わるからミスはできない重要なファクターだ。

どうやって30代の未経験者が人事総務系に転職を成功させるか?

あなたが何歳かわからないけど例えば30歳だと仮定すると、まず前提として未経験から人事総務系への転職の成功率は低いということをしっかり頭に入れてもらいたい。
書類の時点でまず7~8割は確実に落とされると考えておこう。

それは間違いないから人事総務にこだわるならそれを踏まえた上での話になる。
転職への大きな戦略は以下の4つだ。

①人事や総務への転職目的を明確にする
②勉強する(資格を取る)
③現職で実務を1年でも積む
④人材系の企業に一旦転職する

①人事や総務への転職目的を明確にする

まず何はともあれここが明確になっていないとお話にならない。
未経験から人事や総務に転職したいと言ってもその理由や意思が曖昧ではどこも選考の土台に乗るはずがない。

なぜ人事をやりたいのか?
なぜ総務を選ぶ必要があるのか?
人事や総務どのようにキャリアアップしたいのか?
なぜ今までのキャリアに沿った転職ではダメなのか?

ここが明確に答えられないようでは全然ダメ。
友人や家族でもいい。
しっかり周りの人が納得できる理由や目的が言えるまで考えてほしい。

②勉強する(資格を取る)

やはり30代ともなると人間、口だけでは伝わらない。
行動が必要になる。

資格を取れば実務ができるわけでは全くないが、一定の知識は得たというアピールや取得に向けて努力したという行動は評価に値する。

以下のような資格は取得しておくと役に立つ。

資格難易度合格率
社会保険労務士★★★★★約4~5%
中小企業診断士★★★★★約6~7%
キャリアコンサルタント★★★約25%
ビジネスキャリア検定★★★3級:2級 約40~60%  1級 約10%
産業カウンセラー★★約60%
メンタルヘルスマネジメント★★Ⅲ種 約60% Ⅱ種 約40% Ⅰ種 約15%
MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)★★スペシャリスト 約80% エキスパート 約60%
衛生管理者★★Ⅱ種 約55% Ⅰ種 約45%

①で伝えたようにあなたが人事や総務を目指す目的やその後のビジョンに応じて挑戦する資格を決めて取り組んでいこう。

ちなみに僕はキャリアコンサルタントは完全独学で詰め込み4か月くらいで取得、社会保険労務士も完全独学で勉強中の身だ(汗)

③現職で実務を1年でも積む

アピールはこれが一番。
実際に実務経験をしているとやはり採用担当者もイメージはしやすい。

現職で管理部門に異動ができないかをまず打診してみるのは最も有効なやり方になる。

どの業務をどれくらいのボリュームで行ってきたかという事を具体的に記載できればそのスキル感も大体イメージしてもらえる。

・採用業務(募集・選考)
・労務(給与計算・社会保険手続き)
・人事評価制度設計
・社内研修
・IR関連業務
・WEBページ管理
この辺りの業務は実務経験があると、求人企業によって評価がしてもらえる場合が多い。

④人材系の企業に一旦転職する

人材系の企業に実際に転職しておくと人事・総務は未経験でも評価される場合がある。

・人材紹介会社(エージェント)での企業担当・求職者担当
・求人広告の営業
・派遣会社のコーディネーター
・研修会社のコーディネーター・講師

このような実務経験があれば直接人事や総務の経験がなくても、オリジナリティや経験を活かして業務の質を挙げられる可能性もある。

人材系の会社であればまだ一般企業の管理部門へ未経験で転職するよりは受け皿は多い。
業界未経験でも採用してくれる人材エージェントや求人広告会社はある。

この業界に身を置くことで、顧客が人事や総務の担当者、経営者になる場合がほとんどだから実際に外から実務を見つめることもできる。

人事や総務相手に仕事をするからこそ、自身が人事や総務の仕事をする時にも客観的な目も持つことが出来るのはこの上ない強みだ。

まとめ:未経験で人事や総務に転職したい30代の転職戦略

まとめると30代の未経験での人事や総務への転職は基本的に無戦略ではダメ。

まずは人事や総務にキャリアチェンジを行う目的や先のビジョンを誰に聞かれても納得のいく答えが返せるよう明確にすること。

そして少し時間をかけることにはなるけど、以下のことを実践してからでも遅くない。

①人事や総務への転職目的を明確にする
②勉強する(資格を取る)
③現職で実務を1年でも積む
④人材系の企業に一旦転職する
今日はここまで!
See you mate.