仕事辞めたいけど人手不足でとても言えない・・・
人がいなくて辞めさせてもらえない時ってどうしたら・・・
これだけ人いないのに辞めるなんて気が引ける・・・
人手不足が続いているのを実感しているとき、自分が辞めようと思っていてもなかなか「辞めたい」なんて言い出せない場合は多い。勇気をもっていってもなかなか辞めさせてもらえず引き止められる場合も然り。
これまで転職のサポートをしてきた求職者にも現職で人がいなくてなかなか退職を言い出せない、辞めさせてもらえないというケースで多々アドバイスしてきたことをもとに、今回は退職への5ステップをお伝えする。これまですべてスムーズに退職ができているので参考にしてほしい。
・仕事を辞めたいけど人手不足で辞めるという事を言い出せない人
・退職の意思を伝えても辞めさせてもらえない人
・辞めたいなんて会社に言ったらなんていわれるか不安に思っている人
【この記事で得られること】
→人手不足の時に辞めるための5つのステップがわかります。
→辞めさせてもらえないことが法的にどうなのかがわかります。
→会社に退職要求を受け入れてもらえなかったときの対処法がわかります。
人手不足で辞めさせてくれない会社は妥当なのか?
まず辞めたいのに人手不足が原因で辞めさせてくれないという会社の姿勢に関しては、全く屈する必要がないというのが結論。あなたは法律で守られているので退職意思を伝えてから(退職届を提出してから)2週間経てば通勤する必要さえない。
人手不足が原因で退職を制限することは会社には許されていない。民法の627条第1項に「退職の自由」に関する定めがあったり、労働基準法137条には1年を超える有期契約の場合に1年を経過スタ日以降はいつでも退職できる旨の定めがある。
●民法 第627条1項
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
●労働基準法 第137条
期間の定めのある労働契約(一定の事業の完了に必要な期間を定めるものを除き、その期間が1年を超えるものに限る。)を締結した労働者(第14条第1項各号に規定する労働者を除く。)は、労働基準法の一部を改正する法律附則第3条に規定する措置が講じられるまでの間、民法第628条の規定にかかわらず、当該労働契約の期間の初日から1年を経過した日以後においては、その使用者に申し出ることにより、いつでも退職することができる。
人手不足は会社の責任でしかない
人手不足はその状態を招く前に人材を確保できなかった会社の責任だ。労働者にその人手不足を理由に退職を引き止めることはできない。
※TDB 人手不足に対する企業の動向調査(2021年10月)
今は人手が足らない中小企業は本当に多い。2021年の10月に人手不足を感じている企業は43%台。2020年はコロナの流行元年だったこともあり業績が下がる企業で不足感がある企業は34%まで下がっていたがそれでも3社に1社は人手不足感を感じている。
僕は採用コンサルタントとして企業側の採用のお手伝いをしていることもあり、企業側でなかなかうまく採用が進められない事情も分かる。正直何をしても採用がうまく進まず人が足らない会社も存在するが、人を採用するのはどこまで行っても会社のミッションにしかならない。
誰か代わりを入れてから(育てて引き継いでから)辞めてほしい!も無意味
これもダメダメな会社でよくあるのが、辞めるならその辞めようとする人に代わりの人間を入れてから辞めるようにプレッシャーをかけたり、引き継げる人間を作ってから辞めるように言われるケース。
言うまでもなくこれも全く無意味で強制力はない。人を採用したり、育てるのは100%会社の責任になる。あなたが変わりの人間を入れる必要もないし育てる必要もない。
人手不足で辞めさせてくれない環境で仕事するリスク
人手不足の環境で引き止められて働くことについてのリスクを考えておく必要がある。人手不足の環境で仕事をし続けることは下記のようなリスクや特徴がある。
労働時間が増え病気になるリスクが上がる
人手不足の中勤務し続けることは、当然その分労働時間が増えやすい。その結果様々な疾患リスクが上がる。
こういった疾患は労働時間が増えて月に80時間以上の時間外労働が常態化すると起こりやすいと言われている。
スタッフ同士の人間関係が悪化しやすい
人手不足の職場は本来あるべき人数よりも少ない人数で仕事をしているので、スタッフの心に余裕がなくピリピリしやすい。すると精神的なストレスを抱えながら仕事をする人が増える。スタッフ同士で衝突も起こりやすくなり心身の安定が保たれにくくなる。
自分の将来への不安が増大する
将来や自身のキャリアビジョンを考える余裕がなくなり、自分の将来への不安だけが募るばかりになってしまう。今の環境から「あなたが抜け出さない」状態を「抜け出せない」と思ってしまうようになり、キャリアアップができなくなる人が結構多い。
退職者が増えさらに辞めさせてくれなくなる
人手不足の環境では様々なストレスやリスクから当然より退職者が増えることになる。あなたが周りに気を遣いすぎて辞めない状態が続くとほかの人が辞めて今よりももっと人手不足の状態になるのであなたはどんどん辞めにくくなる。
人手不足で辞めさせてくれない会社には退職に関するスタンスを明確に
会社は人間関係で成り立っているので、当然持ちつ持たれつで困ったときはお互い様という考え方もある。あなたがお世話になったのでその恩返しの気持ちがあったり、体制が整うまでは力を貸したいという気持ちも出てくる場合がある。人手不足で辞めさせてくれない場合は、会社云々というわけではなく、あなたの退職に関する考え方、スタンスを確立しておくことが重要。
会社、上司、同僚に対して好意やお世話になってきた自覚がある場合
周囲に対しての恩義を感じている場合は、自分本位で行動することは社会人としても問題がある。やはり良識ある社会人であれば周囲への配慮や一定の筋は通してことを進めるべきだろう。長年勤めてお世話になってきた会社や同僚に対して、話もせずに一方的な辞め方をするようではあなたの今後も思いやられる。
「飛ぶ鳥跡を濁さず」とも言われるように、きれいに周囲にも納得してもらえる形で次のステップに入ろう。人間関係はやはり会社を辞めた後も続くこともあるし、どこでどんなチャンスが転んでくるかわからない。一度一緒に仕事を通して関わった人たちには理解を得てもらうことでその後も良好な関係を続けることができる。下記のようなスタンスをもって進めよう。
・業務の引継ぎの協力的姿勢を持つ
期限を決めて退職を表明する
会社が辞めさせてくれないということに対してズルズルいくことはあなたにとっては時間を無駄にしてしまうことになる。あなたの中で許容できる時期を事前に決めて早めに退職の申し出をするとよいだろう。
2~3か月前には退職意思を伝える
退職を希望する時期の2~3か月前にいうことは会社に対しては十分な準備を与えていることになる。退職の意思表示をしてから2週間経ったら出社義務はないということを前述したものの、1か月前だと少し急な印象もあり会社を配慮しているとは言えないので2~3か月前に伝えることがベストだろう。
業務の引継ぎに対して協力的な姿勢を見せる
業務の引継ぎには協力的な姿勢を見せて、会社に迷惑が掛からないよう配慮をすべきだろう。ここで協力的な姿勢を見せることであなたのヴィジヴィリティも上がり、退社後も良好な関係が築けるだろう。
会社、上司、同僚に対して義理もヘッタクレもない!という場合
会社、上司、同僚に対しても特に義理があるわけではないという場合は、人手不足で辞めさせてくれないという場合は、周囲との関係で特に守るものがないので精神衛生上のストレスしかなくなってしまう。少々強硬姿勢で進めてもよいかもわからない。
・自分の今後の転職のことだけ考える
・意味もなく引き止められる場合は退職代行
退職期限は2~6週間くらいがベスト
人手不足の会社に入社してまだ日が浅いとか、特に周囲にも義理もないという場合は、そんなに退職までの期間を延ばしすぎる必要はない。法律に基づき最短である2週間後から退職日を決めて退職届を提出するということから考えてもよい。1か月前後が一般的ではあるので2~6週間程度で大丈夫だろう。
自分の今後の転職にフォーカスする
やはり自分自身の今後の身の振り方にフォーカスしたほうが良い。人手不足の今の会社で精神的に不衛生な状態での勤務を続けるよりは、自分のより良い未来に思考を向けていくことを考えて方が良い。
退職交渉が上手く進まない場合は退職代行サービスも一つの手段
人手不足で会社には義理もヘッタクレもないのに辞めさせてくれないという場合、会社に対して嫌気もさしてくるだろう。
こんな時は退職代行サービスを使うのも一つだ。あなたに代わって退職代行サービスがあなたに代わってあなたの会社に退職の意思を伝えるところからの交渉、退職手続きを代行してくれる。
まだまだ使う人は多くはないが、一刻も早くその会社を離れたい、金輪際関わりたくないという場合には便利なサービスになる。あまり詳しくサービスを見たことがない人もいると思うのでぜひ一度見ておくと良い。
人手不足で辞めさせてくれない時の退職手続きの流れ
まず当たり前のことではあるけど、心得てほしいこと。仕事を辞めたいのに人手不足の中に退社意思をなかなか言い出せない時でも、あなたはどんな状況であれ、退職の意思を伝えなければ何も始まらず、何も事態は変わらないという事。
人手不足が心配でもまずは意思を伝えないと何も変わらない!
あなたが人手不足に対して負い目を感じる必要は全くないのでまずは意思を伝える。
実際に「もし人がいるならすぐ退職したい」と考えているようなら、実際に人がいなくても退職のアクションを起こさなければいけない。なぜかというと人手不足はあなたに責任があることでも、あなたが考えるべきことでもないからだ。
そして、会社に対して長年お世話になっていて義理を感じているとか、上司にずっと良くしてもらったからしっかり恩返ししたいという考えがあるならその手順をしっかり考えてアクションに移した方がよい。
①期限を決めて退職届を書く
②話しやすいタイミングで上司に辞意を伝えて退職届を渡す
③後任の選定や仕様に協力する意向を伝える
④今の仕事の引継ぎスケジュールやポイントをまとめる
⑤周囲の先輩や同僚に報告する
①期限を決めて退職届を提出する
退職の意思は「口頭+書面(退職届)」のセットになる。どちらかだけではダメ。会社にもよるが口頭だけでは退職意思として受け取ってくれない場合が多く、辞めると口頭で伝えたとしてもそのままずるずる引っ張られてしまう。また書面だけでは、お世話になっている会社にあなたの思いをしっかり汲み取ってもらうことはできないし、あなたの退職に対しての思いも直接伝えることで理解してもらう必要がある。
人手不足の中で退職を言い出せない中でストレスを感じている中で、円満な退職に向けてはしっかり口頭と書面でしっかり伝える準備をしよう。
適切な退職時期は?
退職する時期については、あなたが現在の職場で戦力として一人前の仕事量をこなしている場合、最低でも伝えるタイミングから1か月以降~2か月程度の日付を退職日として考えるのがよいだろう。
あなたが抜けるとなれば当然会社は公認を探したり、いろいろと配置を検討する必要がある。すぐにあなたがいなくなると会社はもちろん、あなたが顧客にも迷惑がかかる。それらを解消するのに最低1ヶ月はやはりかかる。しっかり引き継ぎ業務も行うことも踏まえて2~3か月後の日付での退職を申し出るのが適当だろう。
退職届は誰に出すか?
基本的にはあなたの直属の上司に退職意思は申し出ることになる。あなたの管理監督をしている人にまずは退職届を渡して退職の意思を口頭で伝えよう。これは基本的な社会人としてのルールともいえる。
上司以外の人やさらに上役の人に伝えることは、その上司の立場をなくしてしまうことになるので、嫌いな上司でもまずは上司に伝えるようにしよう。
②話しやすいタイミングで上司に辞意を伝えて退職届を渡す
これは人手不足の最中に辞めることを上司に切り出す事は当然タイミングの配慮は必要となる。求職者に対してこれまで実際にアドバイスしたタイミングは以下のような時だ。
上司が人がいないからと退職届を受け取ってくれない場合
退職届に「退職届を渡そうとした日」「退職希望日」を記載して渡しても受け取ってくれない場合は、下記の順で対応するとよい。
↓
②直属上司の上司に、直属上司が受け取ってくれない旨を伝えて渡す
↓
③受け取ってくれない場合は、内容証明で上司宛に会社に送る
就業規則に退職の申し出期間を理由に引き留めを食らっていても、いくら人手不足とはいえ、その状況はあなたの責任ではなく会社の責任でしかないので、強固な姿勢は持っていい!
③後任の選定や採用に協力する意向を伝える
人手不足の時に辞意を伝えた場合は、後任の選定や採用にも進んで協力する姿勢を伝えよう。人手不足は会社の責任とは言え、あなたがいなくなることによって当然他の人に負荷がかかることは容易に想像できる。できるだけ後任者の選定や採用にも協力する旨を伝えよう。選定は上司の役目ではあるけど、協力する意向だけでも伝えると上司の気分もまた違ってくる。
ただ辞意だけ伝えられたり退職届だけ受け取ったりするよりも、あなたの退職に対しては前向きに考えてくれるようになるだろう。
④今の仕事の引継ぎスケジュールやポイントをまとめる
退職が前向きに進めてもらえそうな状況になったら、人手不足の中で後を引き継いでくれる人に向けてしっかり伝わるような引継ぎのプランを立てよう。
・引継ぎの為の同行スケジュールを組む
・引き継いだ人が退職後あなたなしでもできるようになるためにしばらくフォローする
⑤周囲の先輩や同僚、顧客に報告する
人手不足の場合はあなたがいなくなったときに同僚に負荷をかけることにはなる。その点は人として今まで一緒に仕事をしてきた仲間にしっかり話をしたう上で退職準備に入るべき。
同僚や先輩にはそれぞれ二人になった時などしっかり一人一人話すのがベスト。みんなの前で一斉に伝えて混乱を招くような伝え方は良くないので気を付けよう。同僚や先輩にはしっかり理解してもらえば、退社後も良好な人間関係を続けていける。
誠実に一人一人お世話になったお礼と、退社までの残りの期間も引き続き協力してもらえるようお願いしよう。
会社の人手不足による引き留め交渉に対して取るべき対応は?
もし引き留めを受けた場合の対応をあらかじめ決めておくことも大事。基本的に引き留めを食らってもきっぱり断ることが大事。こう言われたらこうする!という事をあらかじめ決めておくことで、焦らず自身の行動をとることができる。下記の3つのパターンくらいは想定しておこう。
・「後任が育つまで待ってほしい」と言われた場合
・「給与を上げる(待遇を変える)ので残ってほしい」と言われた場合
「次の人が採用できるまで待ってほしい」と言われた場合
「後任が育つまで待ってほしい」と言われた場合
後任が誰かということや、あなたがどのくらいの難易度の仕事をしていたかにもよるけど、後任ができるようになるまでに何か月もかかってくるようであればここも吞んではいけない。
こういう時に要求を呑んでしまうと会社というのは都合のいいようにどんどん要求をしてくる。「次の人が採用できるまで」と言われたときと同様、後任が育ってからあなたが辞めるのではなく、あなたが辞めるまでに後任を育てるのがあなたの会社や上司の役目。
「給与を上げる(待遇を変える)ので残ってほしい」と言われた場合
給与を上げると言われると場合によっては揺らぐ可能性もある。あなたが納得できる内容であれば残るという事も場合によってはありだけど、ここで給与を吊り上げてきたことをあなたが呑めば、会社からニンジンをぶら下げたらしっかり咥えにかかってくるという印象を持たれることになる。
あなたの退職の意思が固いという事をここで示さなければいけない。待遇を吊り上げてきた場合もやはり「待遇に不満で退職で決めたわけではない」としっかり伝え、退職の意思ははっきり伝えよう。
まとめ ~人手不足で仕事を辞めさせてくれない!退職への正しい知識と適切な対応~
人手不足の中、会社の引き止めに応じていてはあなたの人生の時間は刻一刻と無くなる。まずは辞意を伝えるということをしなければあなたの人生のチャンスはその分どんどん失われていく。人手不足はあなたが考えることではなく、会社の問題。あなたがそこに責任を感じる必要は一切ない。会社を思う事よりもあなた自身の人生を考えることの方がはるかに重要。
しかし、そうはいってもこれまでお世話になった会社や、上司、先輩、同僚、顧客には気持ちよく今後も関係が続けてもらえるように、しっかり義理を果たしてあなたの人としての評価を下げることなく退職へのステップを踏もう。
今日はここまで!
See you mate.
いちいち引き止められるのがストレスだ!
もう会社と話したくない!