
転職理由聞かれたら「新しいことに挑戦したい」はあり?

「新しいことに挑戦したい」ってことを上手く伝える方法は?

そもそも大した実績もないのに「新しいことに挑戦」はあり?
転職の理由を尋ねた時にそろそろ新しい分野に挑戦したい、という理由の人が一定数いる。もちろんそれが妥当な理由の人もいればそうでない人もいる。
今回はプロのキャリアコンサルタントが「新しい事に挑戦したい」ということを上手く伝える方法と注意点を解説する。
・新しいことに挑戦するために転職を考えている人
・転職理由が「新しいことに挑戦したい」と伝えることがいいか悩んでいる人
・新しいことに挑戦することを面接で上手く伝えたい人
【この記事が伝えている事】
→「新しいことに挑戦したい」は採用担当者からどう捉えられるか?
→どう伝えれば「新しいことに挑戦したい」がうまく伝わるか?
転職理由が「新しいことに挑戦したい」はどんな印象を持たれるか?
「新しいことに挑戦したい」という転職理由は企業の採用担当者には割と前向きにとらえる人が多い。転職が当たり前の世の中になってきていて自分の領域を広げていこうという動きは承認されるケースが多くなってきている。
しかし、誰でも「新しいことに挑戦したい」が通じるかというとそれはノー。やはり今まで何も大した経験や実績を積んでいないのに「新しいことに挑戦したい」ではその言葉に説得力がない。
採用担当者も新しいことに挑戦したいなら、今まではどうだったのか?をしっかり見るということだ。新しいことに挑戦できたとしてもまた三日坊主で辞めるようなことや投げ出されるようなことがあってはたまらないからね。
「新しいことに挑戦」する場合のメリット・デメリットをあらかじめ考える
そもそも新しいことに挑戦したいと簡単に言ってもそのメリットとデメリットは整理できているだろうか?
新しいことに挑戦する場合のメリット
メリットは多くあるがこれを考えることで本当に新しいことに挑戦したいのかどうかの再確認にもなる。
自分の知見や対応領域が広がる
キャリアは掛け合わせの時代。新しい分野の知見が広がればあなた独自の価値はまた大きくなる。終身雇用が終わっている現代において、対応領域を広げることは自分にしかない価値を生み出せることで市場価値も上がる。
新しい分野での出会いがある
今までにはない領域での人脈が広がることになり、これまでにはなかった人たちとの出会いがある。環境を変えることは人間的な成長にもつながりやすい。今までのご縁も大事にしつつ新しい人脈とあたらしい付き合いをすることでさらなる成長につながる。
先入観なくゼロから自分の経験が積める
全くの未経験の新しい分野は固定観念を抱くことなくゼロからスタートが切れる。心新たにゼロからスタートできるのはリセットするという意味で最適。もう一度初心に帰って今までの慣れた環境ではない場所で挑戦することで、ひたむきさを取り戻すことができる。
新しいことに挑戦する場合のデメリット
デメリットも改めて認識しておいた方が良い。以下も良く考えてそれでも本当に新しい分野に挑戦していくかどうかをはっきりしよう。
今までの分野に戻る際はブランクは多少マイナスになる
これまでの業界や職種に戻ることを考えた時にそのブランクはマイナスポイントになる。例えば経験重視の30代後半や40代に入って転職するとなった時に、転職が上手くいかない場合に少しでも自分の経験を活かせる分野にと言って以前就いていたブランクのある仕事に応募する際、そのキャリアチェンジが少しマイナスに出る場合はある。
ゼロから他人以上の努力が必要
当然新しいことに「挑戦」というくらいなので周りの人たちより何倍も努力することが必要。経験のある周りの人たちに教えてもらうだけの学び方でははっきり言って全然ダメ。その人たちに追いついて追い越すために、その人たちより努力をする必要がある。
多少最初は時間を厭わず誰よりも仕事をする覚悟も持った方がいいかもわからないし、休日にも自己研鑽に励むくらいの気概がなければダメ。ワークライフバランスとかも大事だけど、それを先に主張してしまうようならあなたの見込みは薄い。
自分よりもキャリアある年下の先輩などができる
年下なのに経験は自分より長いという人も当然いたりする。謙虚な姿勢で仕事に当たれるか、年下の先輩にプライドを捨てて積極的に質問することができるか?この姿勢は必ず持っておいた方が良い。
収入は下がりやすい
新しい未経験の分野になるので前職よりも収入は下がりやすい。まぁどんな仕事でも始めてから3~6カ月は特に下がる傾向はある。「収入」が転職理由に含まれる場合の転職先を決める際の指標としては1年~1年半後に今の会社の年収を超えられる見込みがあるか?で考えた方が良い。すぐに今以上の年収を取ろうと思うと転職活動も限定的になりあなたの可能性を狭めることになる。
転職理由が「新しいことに挑戦したい」の場合の5つの映えポイント
新しいことに挑戦したいを転職理由にする場合、採用担当者の印象が映える5つのポイントがある。ただ「新しいことに挑戦したい」と伝えるよりも、この5つのポイントを併せて伝えるだけでかなり印象は良くなる。
②これまでのキャリアで何をやり切ったのかを伝えられるようにする
③これまでの経験で新しく挑戦したいことに活きるポイントを伝える
④周りの2倍、3倍の努力を最速でできるアピールする
⑤自発的で自走できるイメージを与える
①新しいことに挑戦したい理由を明確にする
まずなぜその分野に挑戦したいのか?の理由がはっきりしている必要がある。逆に表現すると「そこに挑戦しなければいけない理由」といえる。
程度の理由では弱いので注意しよう。こういう志望理由は他の候補者でも多くいて、軽い気持ちが伝わってしまい、他と一緒のイメージを与えてしまい印象に残らない。
②これまでのキャリアで何をやり切ったのかを伝えられるようにする
新しいことに挑戦したいといってもこれまで何も考えずキャリアが積みあがっていないようなら要注意。新しいことやる前に今のキャリアをもう少し積んでみたら?という風にも捉えられかねない。
③これまでの経験で新しく挑戦したいことに活きるポイントを伝える
新しいことに挑戦といっても、これまでのキャリアをゼロにしてリスタートするわけではない。あなたのこれまでの経験で活かせる部分があるのであればそこは最大限アピールすることが必要。
例えば営業や販売の仕事であれば多方面とのコミュニケーションや折衝能力が養われていることが多い。どんな新しい分野に挑戦することになったとしてもその折衝能力は活かされる場合が多い。他にも一度経験を棚卸してみて自分がどのような経験をしているのかを整理してみることをお勧めする。
その場合には職務経歴書などで棚卸してみるのが一番なので、時間を取って自分の経験をふりかえってみよう。
④周りの2倍、3倍の努力を最速でできるアピールする
前述のとおり、中途採用で新しいことに挑戦するとなれば当然先を行く経験者の人たちと一緒に仕事をすることになる。ゼロから新しい分野を習得していくのに彼らと同じことをやっていてはその差は埋まらない。
彼らの2倍、3倍のスピードと量で努力ができることをアピールすることは必須。この人なら時間かからず戦力になってくれそうだ、実績を出してくれそうだと思わせる必要がある。
よくある間違いがどんな研修があるか?という質問をする人が多いけど、その研修は最低限のものであって「研修がある≠成果が出せる」ということ。与えられるもの以外に自分がどのようにさらにその努力ができるか?ということを伝えられなければいけない。
⑤自発的で自走できるイメージを与える
努力にプラスして中途採用、未経験分野で最も必要とされるといっても過言ではないのが「自走力」。中途採用なんてもともと新卒と違って手取り足取り教わろうなんて言うマインドではやっていけない。
自分でどれだけ自発的に取り組んで学ぶ機会を積極的に持つか?このイメージが採用担当者に伝わらないと印象は上がらない。
転職理由「新しいことに挑戦したい」の場合の成功例
僕が相談に乗った転職希望者で新しいことに挑戦した例として、成功例と言えるケースは過去のようなケース。あくまで
プログラマー(PG)から営業職への転職
これまで4年半専門学校で学んだことを活かしてPG業務を担当してきましたが、発注いただくクライアントだけでなく、やはりエンドユーザーの声を聞きながら仕事がしたいと思いました。
システムを組むことはできてもこれが本当にユーザーの方のお役に立てているのかが判断しづらく、今後は営業職として顧客の要望をまず受け止めることができ、それを叶える提案ができる営業職としてチャレンジしたいと考えています。これまでのプログラマーでの現場経験を活かして最前線でお客様に最良の提案ができる営業として活躍したく転職を決めております。営業職は初めての経験になるので、同世代の先輩営業に追いつき追い越せるよう業界の勉強はもちろん、身だしなみや言葉遣いから改めて勉強し、書籍やセミナーでも自分なりに情報収集し、最速で一人前の営業になれるよう努力をしていきます。
7年間の営業職から採用担当への転職
7年間の営業経験でその売り上げへの貢献はもちろん、顧客との折衝能力を大きく上げることができました。女性の私でもこれだけ活躍ができる自信がつき、今後はこの経験や営業ノウハウを活かして営業職の採用や育成に関わっていきたいと思います。人事や採用の仕事は初めてですが、特に採用においては営業と同様会社の窓口になる為、候補者の方にいかに一緒に働いてみたいと思ってもらえるか、良い印象を持ってもらえるかが重要です。これまでの営業経験を活かしながら、採用目標を達成させることに営業時代の目標達成志向を継続させながら注力していく所存です。求人広告などの採用ツールの学習も最速で知識を取り込み、採用選考や入社後の教育についても学び、一日でも早く戦力になれるよう自ら行動することをお約束します。
転職理由が「新しいことに挑戦したい」の場合のNGな伝え方
「新しいことに挑戦したい」と言っているのに、本音が出てしまうなどしいてこんな伝え方をしてしまうと印象を落とすので注意しよう。これらはあなた以外にもよくいるお決まりのNGパターンになる。
× 同僚や上司のせい(他責)にする
新しいことに挑戦したいと言っているのに、質問を掘られるとつい同僚や上司のせいにする発言が出てしまうのは要注意。人に対する不満は口から出やすいので注意しよう。チャレンジしたいと言っているのに前向きではない印象を与えてしまう。
× 会社環境(人員不足、残業時間など)のせいにする
会社の環境を理由にするのも良くない。実際その環境を選んで入社したのはほかでもない、あなた自身だ。あなたの選択である以上、周りのことに不満を言い出すことは自分に対する反省がなくなってしまう。会社環境に対する不満も実際あったとしても言う必要はない。(聞いてほしい気持ちはわかるけどね。)
× やっていないことに対する言い訳を述べる
やれてないことに対しての言い訳が多い人もチャレンジしたいという前向きな気持ちを感じてもらえない。やれてないことを正当化する人は実に多いのでその中に入ることのないように普段から気を付けたい。
時間がどうだった、お金がどうだった、家族がどうだった、会社や上司がどうだった・・
こういうことは言わない方が採用担当者も新しいことにチャレンジしたいという気持ちを前向きにくみ取ってくれる。
新しいことに挑戦するなら可能性を広げてくれる転職エージェントを活用
新しいことに挑戦していくにも、どんな分野に挑戦したいかがまだ明確になってない場合はぜひ転職エージェントを活用しよう。転職エージェントはキャリアアドバイザーがあなたに親身になって合う求人などたくさんあなたの志向に合致したものを提案してくれる。自分が思ってもいなかった業界だけど確かにありだ!と思えるものもたくさんある。下記を参考に2~3社登録しておくとよい。
20代のキャリアがまだ浅い場合のおススメの転職エージェント

20代後半~30代以降のキャリアの場合(一定分野で3年以上のキャリアが主張できる場合)


女性なら女性アドバイザーも多く、親切さが他に比べて突出しているパソナキャリアに登録しておくと安心だ。特にまだ転職エージェントを使ったことないとか、転職が初めてという場合にはびっくりするくらい丁寧な対応をしてくれるので安心できるのもポイント。
上記の中から2~3社並行して進めていくとよい。
「新しいことに挑戦したい」を転職理由にした面接トレーニングも有効
転職理由をしっかり伝えるためにはその面接のトレーニングを事前に行っておくことも重要。面接に少し緊張して自信がない人、そもそも面接と聞くと身震いがするというような方でも事前に1回やっておくだけでもだいぶ違う。周りに相談しているキャリアアドバイザーなどいれば是非ロープレなどしてもらうとよいだろう。
僕も普段よく転職相談者の面接ロープレをよくやっているけど、今は面接トレーニングだけでも単発でやっているので良ければココナラから申し込んでおいてほしい→【60分ガッツリ面接トレーニング】
転職エージェントに登録している人はぜひアドバイザーにお願いして事前のトレーニングを実施してもらおう。アドバイザーもそれを実施することであなたの入社が決まれば会社からの評価にもつながるので大体の人が確度を高めるため喜んでやってくれるはずだ。
まとめ ~転職理由「新しい事に挑戦したい」の場合の注意点と映える伝え方~
新しいことに挑戦したいといっても、いつも「新しいことに挑戦」と言っていないだろうか。今回が一度ではないというあなたは要注意。本当に挑戦したい分野かどうかを見極めよう。自分の決めた道が正しいかどうかは自分が仕事をすることでそれらの経験を掛け合わせて独自のキャリアを創っていくことで正しかったと自分でその正解を創っていくようにしよう。
今回お伝えしたことを念頭に入れてあなたのキャリア人生を良いものにしてほしい。
それじゃ今日はここまで!
See you mate.
「○○をやってみたいと思っている」