37歳にもなってスキルといえるスキルがない・・
37歳で主張できるスキルがない自分って、評価されるの??
37歳ノースキルで今よりもいい仕事に就ける?
37歳という人生の折り返し地点がもう間もなく見えかかっている状況で、スキルといえるスキルがない場合、転職市場では評価されるのか?もっと言えば転職がかなうのか?
30代の転職支援を数年間重ねてきたキャリアコンサルタントの僕が実際に感じる37歳の転職事情についてお伝えする。
・37歳で転職を考え始めたものの主張できるスキルがない人
・単純に30代後半で転職ができるか不安な人
・37歳スキルなしでどんな仕事に就けるか知りたい人
【この記事が伝えていること】
→37歳でスキルなしの人が転職市場で評価されない理由
→37歳に一般的に求められるスキルとは?
→スキルがない37歳が転職を成功させる視点と行動
37歳でスキルのない人の転職市場でのぶっちゃけ評価は?
業界や会社にもよるが、37歳の採用候補者に一般的に企業が求めるポイントは概ね以下だ。
・実務経験
・管理マネジメント経験
・近い領域(業界・企業規模)での勤務経験
・自走性
実務経験
各分野における実務遂行の経験だ。経験したことのある仕事であれば当然スキルがついている。即戦力になる。あなたが今まで担当してきた仕事の一つ一つが実務経験になるので今までの業務内容とそのポイントを洗い出してみることが一番。
管理経験(マネジメント)
管理経験(マネジメント)も社会人になって15年程度すぎたなら多少の部下の育成や、チーム・部署の牽引などはやっていてもおかしくない年齢だ。これに付随して豊富なコミュニケーション能力も必要になる。会社の中で経営陣、管理職、部下、顧客、取引先といろんな立場の人とのコミュニケーションを適切にこなしていく必要がある。
近い領域(業界・企業規模)での勤務経験
同じ業界や同じ職種での経験というのもやはり重宝される。その業界の構造やモノの流れ、人の流れがわかるし、業界の風習なども把握していることが多く、同業他社からの転職は最もスムーズにいきやすいだろう。
自走性
男女問わず37歳にもなると自身で考えて仕事ができるスタンスがないとさすがに厳しい。与えられる仕事をこなすだけ、ずっと指示を待つだけでは新卒社員を採用しておいた方がいいというもの。自分で成果を出すために試行錯誤しながら自分で取り組んでいくということが必ず必要になる。
特に37歳前後の女性ではこの考え方を全く持っていない人が多いので念頭に入れるべき。自分で様々な仮説を立てながら検証し、一番いいものをどんどん取り入れていく事、自分でどんどん習得していく気持ちと行動が何より大事。
37歳の転職で不採用になる3大要因
30代後半の転職であえなく不採用になるケースは大体以下の3つに当てはまる。「んなこと分かってる!」と思われることも多いかもわからないが、改めて認識しておこう。
ノースキルなら若い候補者を採用したほうがいい
37歳になってノースキルなら採用するメリットが基本的に薄い。給与水準もそれなり、経験からくる固定観念も持っている、変化対応力も限定的・・・となると当然、給与水準も低く、吸収力もある新卒者や20代の若年層を採用したほうが得策ということになる。
給与バランスが合わない
37歳になると今までの給与が保障されにくい。あなたが希望する給与と、転職先の会社の給与バランスが合わないことが多く、あなたの希望する給与を飲んでしまうと社内での不均衡が起こる。
※2021年12月doda平均年収ランキング
よくあるのが37歳だと男女とも家庭を持っている人も多く、500~700万円を希望するケース。上記の平均年収でもわかる通り、いきなりそこまでは出しづらく450万円程度の提示になるケースが割合として多い。
畑が違いすぎると違和感を感じる
今まで在籍した会社の規模感や文化が違いすぎるとフィットしないと判断されるケースも多い。何千人規模の大手企業で働いてきた人はなかなか数十人でやっているような中小企業にはフィットしにくいと判断される。整った仕組みや環境があるわけではなく、どんどん自分たちで作り上げていかないといけないからだ。
与えられた環境と与えられてない環境での感覚は全く違う。会社の方も前の会社の感覚を持ってこられると他の社員と比較しても違和感を感じてしまう、畑が違いすぎるとフィットしない、慣れなという判断で見送りになる37歳のケースは多い。
37歳の転職でノースキルでも「スキル」を主張するポイント
で37歳でまずはスキル(実務経験)を主張し、評価してもらうために取り組むべき重要なことをお伝えしておく。こういったことを考えずに転職に臨めていない30代後半の転職希望者は非常に多いので念頭に入れておくとよいだろう。
仕事の中にどれだけあなたの思考が盛り込まれたか
転職希望者が職務経歴書を作成する際、ただやってきた業務を羅列しているだけの人が大半なのには結構びっくりする。「スキルがない!」と悩む転職希望者ほど、自分のやってきた業務の価値や特性を理解してなかったりもする。
今までやってきた業務をしっかり掘り下げて箇条書きしてみよう。その中でその業務の中に含まれるアピールできる要素をしっかり考えることが必要。実はスキルとして活きる経験を持っているケースは往々にしてある。大きい括りにはなってしまうが例を挙げておく。
Ex.1 販売・サービス・営業系
Ex.2:事務系
Ex.3:現業系
現業系でもこのように分解していくと様々な要素がある。共通する要素のある仕事に応募すればアピールできる点はあるということだ。現場でもただずっと同じ工程だけをやっていた、現場が変わっても同じ基本的な仕事をやっていたという場合でもそのやっていた仕事に「本質的に求められる要素は何か?」という点を整理してみよう。
数字を使ってスキルの棚卸をする
30代後半の候補者では、職務経歴書に数字が書かれてない人も非常に多い。ただ、〇〇の業務経験があるということを記載しているだけで、どの程度の頻度でどれくらいの量をこなしてきているかということが書けていない。そのボリュームが重要なアピールになる。
時間当たりどの程度の量がこなせるかのイメージも付く一方で自社の仕事とのボリュームに対する耐性を判断してもらいやすい。相手にも配慮した記載だといえる。
具体的に数字で書いてあると、ざっくり書いてあるよりも、【経験してきている印象】を与えることができる。
人脈の貢献
37歳にもなるとそれなりの人生経験を積んできている。その人生経験の中で転職にも大いに武器になるもの、それはあなたが持つ「人脈」と「顧客」だ。人脈というのは本当に宝になる。あなた自体にスキルがなかったとしてもあなたが人脈を差し出すことで会社に大きく貢献出来たり発展のきっかけになることができる。
こういった人はどんどん自分の人脈をアピールしていくと、スキルが多少認められなくても買ってもらえる場合がある。
学歴って37歳でもアピールになるの?
ちなみに学歴は、やはり実務経験に比べると大きな要素ではない。しかし、転職の面談をしていても思うが、例えば国公立や有名私大卒の人と高卒の人とでは話の理解力に差がある。学歴がないよりはないよりはあったほうがいいという結論になる。
そしてもう一点は「学のある人の友人は、学のある人」ということだ。一般的な話になるけど、つまりは学歴のある人を採用するということは人脈もそれなりの人を備えている可能性が高いということ。そう、自頭の良さのアピールのほかに学生時代の人脈も武器になる場合があるのでしっかり意識しておこう。
管理能力(マネジメント)
37歳でスキルはないという人でも、何かのチームをまとめたり、自分以外のメンバーにも意識を向けた経験はあるのではないか。自分の成果は出せた上でチームや部署の成果をどれくらいのレベルで出せるかは大きなアピールポイントだ。
・部下指導のスタイル
・チームとしてとった戦略
・管理者像
・管理職としての今後のキャリアビジョン
このような経験や意向を整理して具体的に考えてみよう。
資格
資格は、モノによっては必要とされるつぶしの利きやすいものがある。もう取ったことのある人ならいいが、これを読んでいるあなたはおそらく資格もこれといって挑戦したことがないという人だと思う。正直講習に出れば取れる資格などはたくさんあるけど、そういったものは意味がない。資格保持者がいることによって事業所の人員が適正に配置できたり、独占業務と呼ばれる資格保持者にしかできない業務などもできるようになる。
今すぐには難しいかもわからないが、中長期的な取り組みとして以下を参考まで。。
僕が転職支援をしてきた30代後半の候補者で、「キャリアアップ」と呼べる転職は以下のような事例が多い。
そう、以上のようなポジションでは多くキャリアアップにつながる場合が多いけど、その他にはドライバーや3交代の工場の業務など、これから40代に差し掛かる手前に選んでしまうと体力的にも負荷のかかりやすい仕事が多いのは正直なところ。
37歳のスキルのない状態での転職したら収入はどうなる?
基本的に主張できるスキルがない!という37歳が転職したら年収は95%程度の確率で一旦は下がることになるだろう。その覚悟が持てないというなら、転職しない方がいいだろう。今まで先のことを考えずにキャリアを積んでこなかった自分自身の責任でもあるのでまずそれを受け入れなければ全ては始まらない。
このデータは2021年末にdodaが集計していたものだけど、転職の成約の事例を見ると、スキルなしで転職を叶えた37歳ということを考えると上記年収よりも20~30万差し引かれた状態が多分相場の年収になると思う。
それを基準にあなた自身の年収を踏まえて本当に転職をするのかということを検討するとよいだろう。
・ハローワーク
・コネのフル活用
・転職サイト
・スカウト
・転職エージェント
・ダイレクト応募
メリット | デメリット | 時間 | 総評 | |
ハローワーク | 零細から大企業まで求人は多く毎日更新されるためたくさん見れる。35歳でも選考の進む企業は多い。 | フォローはあまりなく求人内容や企業情報が不十分で実態もわかりにくい。入社してからイメージと違う場合も。 | 比較的早め | 〇 |
コネの再確認 | 信頼関係の中での転職になるので安心。受け入れてもらいやすい | 条件など細かい話は少し詰めづらい。やりたい仕事ではない場合も多い。 | 早い | ◎ |
転職サイト | たくさんの求人情報が深いレベルで見れる。第三者的な情報も多く、勉強にもなる。 | 若い候補者のライバルの応募がとても多く、スキルがないと年齢的に不利でWEB選考の時点で見送りになりやすい。 | 普通 | △ |
スカウト | あなたの登録情報に興味を持った企業からオファーがあるので選考は進みやすい。 | スキルや経験が評価されなければ、よいオファーが届きにくい。 | 遅い | 〇 |
転職 エージェント | キャリアアドバイザーが転職の方向性や企業情報をしっかりフォローしてくれるので安心。 | あなたを採用することによりエージェントに支払う報酬が高額なため、選考に慎重になりやすい。一定のスキルに満たなければ書類ですぐ見送りになりやすい。 | 遅い | ◎ |
ダイレクト 応募 | 気持ちや姿勢を買ってもらいやすい。熱意が届く。 | 飛び込み営業と同じなので無反応、お断りのケースも多い。精神的なタフさが必要 | 普通 | △ |
ハローワークを使いこなす
「求人広告で募集したり人材紹介会社にお願いするほど費用は出せないけど人は募集しておきたい」という中小企業の求人がたくさん閲覧できる。
有名な転職サイトに出すと採用上の競合となる大手の会社などを避けている会社も多くある。情報の見極めは必要だけど、ハローワークでは比較的ほかの候補者との競争も少なくすんなり決まることもあったりするのでハローワークの求人もないがしろにはできない。
求人票は一律のフォーマットだし、書いてあることも無機質なので判断がしづいけど、企業概要や仕事内容を把握すればいい会社も多いのがハローワーク。ハローワークの職員も数をこなさないといけない立場で事務的な対応も多いので頼りにはしにくいが、自分からしっかり情報を求めればくれるので絶対に活用しておきたい。
これまでの人生で培ったコネクションは必ずたどる
人脈は最も信頼がおける情報源の一つ。あなたにスキルがなくてもあなたの人間性を知っている人から思わぬ仕事のチャンスが舞い込んでくることもある。1%でも可能性のあることはしっかり取り組むべき。
自分が今までこんなことをやってきたけど今後はこう考えている、ということをシェアするだけでも誰かがあなたに声をかけてくれ思わぬチャンスにつながるかもわからない。
やや不利な転職サイトは情報収集メインで
転職サイトでは募集を出している企業の採用担当の立場からすると、相当数の応募が来る。37歳でスキルなし、主張ができてない状態ではなかなか面接まで進まない状態になる。相対的不利になりやすく戦いづらいのが実際のところ。
あなたがいいと思った企業の求人はほかのひともいいと思っており競合菱そうと多くの人がエントリーしていることを必ず頭に入れておこう。ただ応募だけしても見送りになるケースが多い。
スカウトは気長に待つ
今はビズリーチに代表されるようにスカウト型のデータに登録して企業からのスカウトを待つということもできる。転職を急がない場合は登録してみるのもよいだろう。前述のようにあなたのこれまでの経験を整理してみた上で経歴をしっかり記載するとそのキャリアに関心を持つ企業も出てくる可能性は高い。
魅力を持ってもらえなければメールが届かないことが考えられるが、登録しないようりは登録したほうが可能性は当然上がる。
転職エージェントは2~3社
転職エージェントはあなたの担当アドバイザーがあなたのこれまでの経験や今後の意向を踏まえて様々な活動のアドバイスをしてくれたり求人を案内してくれる。転職に不安なあなたにとっては大きな味方になる。30代に強い転職エージェントを選び2~3社はできれば登録しておきたいところ。35歳で活用できる主な転職エージェントは以下。
リクルートエージェント
30代ならリクルートエージェントがおすすめ。絶対的な求人情報数は他の追随を許さない。情報の数ならNo.1のエージェント。
BIZREACH(ビズリーチ)
doda
求人数はリクルートエージェントに次いでNo.1。他のエージェントが保有しない掘り出し優良企業求人が結構ある。キャリアアドバイザーのレベルも高く安心して相談できる。製造やIT系は昔から多い大手エージェント。
パソナキャリア
細かいフォローや求人企業の案内など一つ一つ対応が丁寧な社員教育の行き届いたエージェント。
初めての転職という方は最も安心できる。とにかくサポートが丁寧なので転職のサポートは万全。
マイナビエージェント
ダイレクト応募
これは一番強力な方法にはなるが強いメンタルは必要なやり方だ。あなたが今後の目標をしっかり確立していている場合、その目標の達成に近づける会社を自分で探して直接アプローチする方法もある。
HPからの直接の応募を試みたり、手紙などで思いをしっかり伝えることも有効な方法の一つ。そんなことをする人はほかにあまりいないので、印象に残る。一方で少し常識がないと思われる節もあるが、そこはお構いなし。断られても連絡がなくてもどんどん興味のある会社にはアプローチし続ける強いメンタルが必要。営業経験のある人なら難なくできると思うが、その会社に合致したアピールや、役に立てる、貢献できるというアピールを確実に行う必要がある。それができなければただの冷やかし応募とも捉えられかねない。
30代のうちに40代以降のキャリアの基盤を作ることは必須!
37歳という年齢を考えると今あなたがどれだけノースキルであろうが、必ず今公開のないキャリアチェンジをする必要がある。そして必ず3年、5年の努力によって潰しの利くキャリアを構築しなければいけない。
40代に突入すると求人は一気に減る!
40代で今と同じような感じで「スキルがない!」「経験がない!」と言っているといよいよ全く仕事がない。40代に入ると30代に比較するとその求人数は10分の1くらいまで下がるといってもいい。40代が受け入れられる求人は残念ながらほとんどなく、特定の経験値がある人のみの採用になるものばかりだ。
まだ40代まで3年ある、その3年でどのような経験をするかは今の活動次第。そしてその3年の使い方良いものにするために今の転職活動を真剣に行おう。
まとめ ~【37歳スキルなし】で転職の成功確率を上げる戦略とは?~
37歳でノースキルで、何も考えずに転職活動を始めると当然うまくいかない結果ばかりを繰り返すことになる。
自分本位でなく、企業の採用ニーズを踏まえながら自分の業務経験をしっかり棚卸しして表面的な情報からは読み取れないあなたの仕事の質をしっかりアピールして内定をつかもう!
といったところで今日はここまで。
See you mate.