
40代での転職での失敗は絶対したくない・・

40代、、難しいのは重々承知も何とか今の環境を変えたい・・

家族もしっかり納得させられる転職を絶対にしたい・・
キャリアコンサルタントとして、年々40代の転職希望者のご相談に乗ることもかなり増えてきた。実際のところうまくいかずドツボにはまっている人は結構多い。逆にタイミングもよくすんなり好条件で次の転職先を決める人もいる。その間には明確な転職活動への取り組みや考え方の大きな違いがある。今回はその違いについてお伝えしようと思う。
責任を与えられ家族も持っているであろう年収レンジも高い40代が、確実に転職を成功させるための注意点、その手順や心得をキャリアコンサルタントとしてのこれまでの経験から共有するので参考にしてもらえると嬉しい。
●絶対に次の転職で失敗したくない40代の人
●次を最後の転職先にしたい40代の人
●これまでのキャリアに自信が持てない40代の人
【この記事が伝えていること】
→40代での転職の地獄行き失敗パターン
→40代で持つべき転職マインド
→40代での転職活動の適切な進め方
40代の転職が地獄だと言われる理由
「40代の転職は地獄だ」という人もいるが、何がそんなに地獄なのか?普段40代候補者の転職相談に乗っているキャリアコンサルタントの立場から、現実的には以下のようなことが言える。
①専門職以外の40代は企業が本当に選考しづらい
②転職エージェントも40代の支援には後ろ向きな場合が多い
③年収は下がるケースが多い
④内定を得るまでに時間がかかる
⑤今までの実績はいったんリセット
⑥転職しても期待外れになると居場所がなくなる
①専門職以外の40代は企業が本当に選考しづらい
エンジニアなどをはじめとする技術系専門職はそのスキルが大いに生かされる場合があるが、専門職以外ではなかなかうまく評価されない場合が多い。組織の構成上、40代以上が入社した場合にその組織やチームの年齢バランスが崩れてしまうことや、既存社員との年収バランスもとれなくなるケースがある。
したがって特定の分野でのスキルや経験があまりにも主張しづらいものだと40代を進んで採用するということができない。
②転職エージェントも40代の支援には後ろ向きな場合が多い
転職エージェントも企業側からはやはり「若く有能な人材の紹介」を依頼される場合が多く、40代以上になると特定のスキルや経験を持ったニッチな要望をもらうというケースが多くなる。
あなたにどこでも重宝されるスキルや経験があればよいが、例えば「営業職」「販売職」「事務系職種」「作業員・ドライバー」といった一般社員レベルだとあまり今までの経験は評価されず、転職エージェントも面談して登録してもらってもよい紹介案件が出せず、正直困る場合が多い。40代の候補者になかなか紹介できる案件がない、というのはキャリアアドバイザーであれば誰しも毎日困っていることの一つだろう。
③年収は下がるケースが多い
年収はやはり下がる場合がほとんど。前職でのキャリアにもよるが、中小企業の場合であればなかなか前職の給与をキープできる場合が少ない。まずは50~100万くらい下がることは覚悟しておいたほうがいい。
年収については経験や年収の額によるので一概には言えない。今まで40代の転職サポートをしてきた人たちの入社後の年収を肌感覚でお伝えするだけなので、ただの参考にだけしてほしいが、平均年収を上回っている場合は現年収と平均年収の間くらい、平均年収を下回っている場合は現年収の少し下に落ち着く場合が多い。
40代前半 | 40代後半 | |
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男性の平均年収 | 582.1万円 | 629.2万円 |
女性の平均年収 | 317.9万円 | 323.7万円 |
男女計の平均年収 | 476.1万円 | 499.3万円 |
出典:国税庁長官官房企画課「令和元年分民間給与実態統計調査」
④内定を得るまでに時間がかかる
40代の転職活動は前述のとおりニーズが限られやすく、転職活動期間が延びやすい。半年どころか1年、2年とずっと動き続けて虎視眈々と転職活動を続けている人もいる。書類を送付しても見送りになり、仕事もある忙しい中に面接に行っても見送りになり、なかなか選考が進捗しないというのはよくあるケース。
⑤今までの実績はいったんリセット
前職ではそれなりの地位にいたり実績を出していてもやはり畑が変われば実績はリセットされる。どれだけ面接で過去の実績を主張しても前職で出した同じような成果が出せるかというとそれは未知数。ここは40代候補者がもっとも多いところ。自分の成果は思ったより企業には伝わらないものだと自覚しよう。
⑥転職しても期待外れになると居場所がなくなる
転職に成功したとしても入社した会社で成果が思うように出せず、徐々に居づらくなるというのもよくあるパターン。こうなるとまた転職という考えになり「40代の転職ループ」という最悪な事態に陥る。悲しいかな、この状態にある人が毎月一定数いるのが40代という年代。
僕は毎日1~2人は転職者と面談しているが(月に20~25名くらい)、このうち2~3割くらいは40代で転職ループにはまっている人になる。
40代転職失敗で地獄行きにならないための活動の流れ
40代の転職を成功させるには適切な「転職に対するマインドセット」と「適切な手順」が必要になる。今までの20代、30代に転職してきた時の感覚が大きく残っていて年齢的に40代はちょっと難しくなるのかな?程度の認識がほとんど。
40代で転職を成功させるための確実な流れは以下のように断言する。
②企業の40代候補者の見るポイントを知る
③転職理由(退職理由)は明確に
④転職の軸、提供できる貢献をはっきり具体化する
⑤書類は最高の精度で仕上げる
⑥転職エージェントは3社利用しアドバイザーを見極める
⑦収入は後で必ずついてくる!というスタンスを持つ(権利を先に主張しない)
40代の転職で地獄に落ちる6つの鉄板パターンとは?
40代の転職で地獄を見てしまう鉄板の6パターンがある。まずはそれを知ることから。転職の面談をさせてもらった時にこれに当てはまる人は確実に転職活動が上手くいかず生き地獄のような状態になっている。
①転職先が決まる前に離職する
40代では転職活動は長期化することは織り込んでおかなければいけない。必ず、次を決めてから退職する必要があるが、いつも先に辞めてから探す人は非常に多い。収入が途絶えることにもなりかねないので先に今の会社を辞めてしまう事はリスクでしかない。これをやってしまうと転職するも何も地獄に落ちてしまう可能性が高い。
②すぐに転職を決めようと焦る
③貢献できる事、できない事を理解していない
そして何が貢献できるかという自分の強みをはっきり言える人が案外少ない。40代であれば自分が何で貢献できるかという事と、そうでない部分の明確な把握は必要。
④5年後10年後のキャリアビジョンがない
また長中期のあなたの方向性というのは重要。40代であれば会社の中核として組織を動かしていく意識を持てないと転職は難しい。仕事においてどういう事を叶えたいのか?どのような組織づくりに貢献していくのか?の主張はできるようにしておかないと難しい。
⑤視点が自分中心で権利を主張する
自分中心に物事を考えたり、条件や権利を主張する人は最も失敗するケースが多い。家族もいたり背負うものも大きい40代はどうしても給与、休日などそこから主張しがち。どこまで行ってもまず自分が何を提供できるか?で行くべき。収入は結果を出せば後からついてくるくらいの腹をくくれないとなかなか決まらない。
⑥書類が雑で「みられる意識」が感じられない
履歴書、職務経歴書を見ればあなたの人格やキャリアは大体察しが付くというもの。僕もこれまで恐らく書類だけなら2,000人以上見てきていると思うけど、やはり転職が上手くいく人の書類はそれを見る人事の人や経営者のことを考えられている。
誤字脱字、簡潔に説明できていない、やってきたことがよくわからない、数字で規模感が書けていないなど突っ込みどころが満載なものは足切りになる。
企業の40代候補者の見るポイント知る
では実際求人している企業から見た40代候補者に対する価値や見方はどうか?僕はいつも経営者の方や人事の担当の方ともやり取りをしているけど、大体見ているところはどの会社も共通している。
・給与の希望が高すぎないか?
・うまく年齢バランスがフィットするか?
・生粋のサラリーマン気質ではないか?
マネジメントと実務は両方理解できているか?
給与の希望が高すぎないか?
うまく年齢バランスがフィットするか?
生粋のサラリーマン気質ではないか?
・商品や会社の看板で商品やサービスが売れている
40代転職で重要な「退職理由」と「転職の軸」
40代では転職する理由は20代などに比べると明確になっていないと大きいマイナスになりやすい。
このようなことが明確に言えないと、企業は40代のあなたに対してその思考を疑う。
退職理由は他責はタブー
転職の軸は具体的に決める
20代、30代前半であれば「とにかく挑戦したい!」でもポテンシャルで採用してもらえることは多いが、40代ともなると、どんなポテンシャルややる気があろうが重要ではない。
前述の通りこれまでの経験を活かして具体的にどのようなことに貢献ができて、どのような組織づくりに寄与できるのか?ここだ。
「やれると思います!」
・プレイヤーとマネジメントのバランス
・企業の取り組みの斬新さ
・人脈を活かせる環境(営業であれば特に)
40代の転職では応募書類は完璧に!
書類の精度についても非常に重要。はっきり言って6~7割くらいの40代候補者は書類作成が手抜きなのが明確に感じられる。今一度書類の重要性について確認してほしい。
転職で地獄を見ないために40代の人が持つべきマインド
40代の人が転職について持っておくべきマインドとしていつも以下のようなことを伝えている。
40代の転職で地獄行きを避ける「第三者のサポート」
やはり40代の転職では独りよがりになると地獄行きのパターンになるので信頼のおける第三者にサポートしてもらうことは必須。
転職エージェントは活用すべきだろう。転職エージェントについてはどのエージェントを選ぶかも重要だが、40代の転職はそれ以上にどんな担当アドバイザーに担当してもらうかが最も重要。担当アドバイザーの見極め方については別記事で詳しくお伝えしている。
とにかくあなたをどんな企業にどのように推薦・アピールしてくれるかをしっかり見極める必要がある。ただ今ある求人を機械的に提示してくるだけのアドバイザーでは全くダメ。経験や実績のあるアドバイザーなら必ずあなたのキャリアと企業の採用ポイントをマッチさせる「提案」をしてくれる。
転職エージェントについては40代であれば下記のようなおススメのエージェントをまとめている。あなたのキャリアにもよるが、リクルートエージェント、doda
には登録しておいてもよいだろう。またあなたの年収帯が600万円以上やある程度の役職者などであればBIZREACH(ビズリーチ)
まとめ ~40代の転職失敗で地獄行きを避ける為の【確実な手順と心得】~
40代の転職はやはり簡単ではないし、時間のかかるものだ。しかし、これまでのキャリアの棚卸をしっかりして、あなたの強みと先のビジョンを明確にしよう。
●年齢相応の余裕
●キャリアに見合った書類の作成
●面接での落ち着き
●適切な第三者のサポート
これらを一つ一つ確実に押さえてじっくり進めていこう。きっといい結果が出て来るはずだ。
今日はここまで!
See you mate.